移民の帰化期間を延長した二つの法律
アメリカ合衆国の歴史において、移民が市民権を取得するまでに要する期間を5年から14年に延長することに関わったとされるのが、1882年の中国人排斥法(The Chinese Exclusion Act)と1924年移民法(The Immigration Act of 1924)です。いずれも排外的な移民政策を象徴する法律として知られています。
1882年 中国人排斥法
1882年の中国人排斥法は、米国議会で可決された法律で、中国人労働者の移民を10年間停止するものでした。この法律は人種差別に基づくものであり、その後も繰り返し延長・修正され、最終的にはほぼすべての中国人移民を排除するものへと強化されていきました。
1924年 移民法(ジョンソン=リード法)
1924年移民法は、提出者たちの名前から「ジョンソン=リード法」としても知られています。この法律は南欧・東欧からの移民を厳しく制限し、出身国別に人数枠を設ける「国民出身者割当制度」を確立しました。さらに、帰化までの待機期間を5年から14年に延長するとともに、識字テストの導入やアジア系移民に対する割当制など、移民に追加的な要件を課しました。
これらの法律がもたらした影響
これらの法律は、当時のアメリカ社会に根付いていた人種差別的な考え方を反映したものであり、移民たちの生活に深刻な影響を及ぼしました。家族の分離、就労機会の制限、市民権取得の困難さなど、多くの移民が厳しい状況に置かれることとなりました。
補足:歴史的な経緯について
なお、歴史的には、帰化に必要な居住期間を5年から14年に延長した最初の法律は、1798年の帰化法(Naturalization Act)であるとされています。また、中国人排斥法は中国人移民の帰化資格そのものを事実上奪うものでした。こうした経緯を踏まえると、本記事の主題である「5年から14年への延長」は、複数の移民関連法制が絡み合った歴史的文脈の中で理解することが重要です。