今も生き続けるローマ数字
現代においてローマ数字が日常的に使われる場面は、実は限られています。しかし、以下のような分野では今なお欠かせない存在となっています。
- 時計の文字盤
- 書籍の巻・章・部などの表記
- ローマ教皇、国王、皇帝の名前(例:ヨハネ・パウロ2世)
- 戯曲の「幕」と「場」
- オリンピック、学会、大会、コンクールなどの回数表記
ローマ数字はどうやって生まれたのか
当初、ローマ人は1を表す記号「I」しか持っていませんでした。しかし、大きな数を表現しようとすると「IIIIIIIII...」と書き連ねることになり、たちまち混乱してしまいます。
そこで、大変に賢明だったローマ人(ローマ帝国という大帝国を築き上げたことからも、その知恵は明らかでしょう)は、2本の棒を斜めに交差させた記号「X」を10の表記として採用しました。
では、5はどうしたのか? その答えはシンプルです。5は10の半分。つまり、Xを真ん中で切り分ければ「V」という形になり、これで5を表せるようになったのです。
ローマ数字の基本記号
ローマ数字の基本は、I(1)、V(5)、X(10)、L(50)、C(100)、D(500)、M(1000)の7つの記号で、これらを組み合わせて数を表します。ちなみに、時計の文字盤では「4」をIVではなくIIIIと表記する伝統が今も残っていることでも知られています。
手のジェスチャーで400を表す? — 知られざるローマの暗号
ここからが本題のトリビアです。あの「角のジェスチャー」は、実は400を意味していたというのです。
小指と人差し指を伸ばし、中指と薬指を折り曲げるジェスチャー。イタリアでは「シカモリ(cornuto=浮気された夫)」を意味するジェスチャーとして有名ですが、このジェスチャーを右手で行うと400、左手で行うと4を表していたと伝えられています。

これが400(右手)
「なんてローマ人たちはクレイジーなんだ!」
漫画『アステリックス』の巨漢オベリスクがよく口にするあの名言のとおり——
「なんてローマ人たちはクレイジーなんだ!」
ローマ数字には、こうした遊び心あふれる歴史が詰まっています。次に時計の文字盤やオリンピックの大会回数を目にしたときは、その記号の背景にある古代ローマ人の知恵に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
出典:The Hypotenuse Club – Claudi Alsina(クラウディ・アルシナ)
写真:Children of Cain
