2005年、当時のスペイン首相ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロによって導入された「即時離婚(divorcio exprés)」。しかし、夫婦の合意による迅速な離婚という制度そのものは、実は2000年以上前、ギリシャ・ローマ支配期のエジプトですでに存在していたのです。
20世紀以前のどの時代よりも恵まれた女性たち
現存する何千ものパピルス文書を調べると、ギリシャ・ローマ時代のエジプトにおける女性の状況が、多くの面で20世紀以前のどの時代よりも良好だったことに驚かされます。女性は市民権を持たず、わずかな例外を除き後見人による代理を必要としたものの、公的・私的文書によって確認され、裏付けられたいくつかの重要な権利が記録されています。
女性は遺産を相続し、遺言を残すことができました。土地や不動産を所有し、事業を経営することさえ可能でした。さらに注目すべきは、結婚と離婚の契約において一定の平等が認められていた点です。
宗教儀式ではなく「契約」だった結婚
当時の結婚は宗教的な儀式ではなく、あくまで契約によって正式化された同居生活でした。契約書には離婚の場合の終了条項、持参金(ダウリー)の返還、財産の分離などが明記されており、近代的な婚前契約の原型と言える内容になっています。

紀元前13年・アレクサンドリアの婚姻契約書
プロタルコス〔裁判所長〕宛て。アピオンの娘テルミオン、後見人ケレアの子アポロニオスの名において、またプトレマイオスの子アポロニオスの名において。テルミオンとアポロニオスは、共に生活を営むことに合意する。前述のアポロニオスは、テルミオンよりその家を通じて、持参金として金の耳飾り一対および(…)銀ドラクマを受け取ったことを承認する。この瞬間から、アポロニオスは、妻としてのテルミオンにその身分にふさわしい必要な一切と衣類を提供し、彼女を虐待せず、家から追い出さず、侮辱せず、他の女性を迎え入れないことを誓う。違反した場合は直ちに持参金を失う(…)。同様にテルミオンは、夫に対する義務および共同生活の義務を誠実に果たし、アポロニオスの同意なく一晩たりとも家を空けないこと、共同の家を汚したり損なったりしないこと、他の男と連れ立って歩かないことを誓う。違反すれば持参金を剥奪される。さらに、違反した側は定められた罰金の対象となる。
紀元前13年・アレクサンドリアの離婚証明書
プロタルコス宛て。ヘラクレイデスの娘ゾイス、後見人である兄イレナイオスの名において、またゼノンの子アンティパトロスの名において。ゾイスとアンティパトロスは、この同じ法廷で以前に契約によって結ばれた婚姻の絆を解消し、互いに別れることに合意する(…)。ゾイスは、持参金として受け取ったもの、すなわち銀120ドラクマ相当の衣服一式と金の耳飾り一対を、彼の家から受け取ったことを承認する。したがって、今この時をもって婚姻契約は無効となり、ゾイスおよびその名代となる者は、アンティパトロスに対して持参金の返還を求めることはできない。また、いずれの側も、同居その他本日までのいかなる事項についても相手方に異議を唱えることはできない。この日以降、ゾイスが他の男性と、アンティパトロスが他の女性と結婚することは合法であり、その理由でいずれかが告発されることもない。
これらの文書が示すように、古代エジプトでは双方の合意に基づき、持参金の清算と引き換えに婚姻関係を解消し、直ちに再婚することさえ許されていました。「即時離婚」は現代の新発明などではなく、人類の歴史の中ですでに実現されていた制度だったのです。