ヨーロッパの歴史

リンカーンの有名な肖像写真は「合成」だった?歴史に残るレタッチの実話

アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの1860年撮影とされる有名な肖像写真には、実はある「小さな」仕掛けが隠されていました。理由は、当時のリンカーンが写真撮影のポーズをあまり得意としていなかったためとされています。

そこで制作側が利用したのが、南部の政治家ジョン・C・カルフーンの肖像です。カルフーンの姿勢や服装はそのままに、頭部だけをリンカーンのものへと差し替えるという手法が取られました。

デジタル以前の時代の「画像編集」

デジタル加工技術が存在しない19世紀においても、こうした合成はすでに行われていました。画家や写真師は複数の素材を組み合わせて、より堂々とした理想的な指導者像を作り上げていたのです。リンカーンの肖像にカルフーンのポーズが流用された作品は、その代表的な例として知られています。

リンカーンの有名な肖像写真は「合成」だった?歴史に残るレタッチの実話
画像1:リンカーンとして知られる有名な肖像

リンカーンの有名な肖像写真は「合成」だった?歴史に残るレタッチの実話
画像2:元となったカルフーンの肖像

歴史資料を見るときの視点

この逸話は、「写真=完全な記録」とは限らないことを示す好例です。歴史的な肖像画や写真を目にする際は、その背景にある制作意図や加工の可能性にも目を向けることで、より深く歴史を読み解くことができるでしょう。