ヨーロッパの歴史

ジョージ・ワシントンは本当にイギリスを嫌っていたのか?その真実を解説

ジョージ・ワシントンはイギリスを「嫌っていた」のか?

ジョージ・ワシントンがイギリス(グレートブリテン)を個人的に嫌っていたことを裏付ける、信頼できる歴史的証拠は存在しません。むしろ、彼の人生の大半において、ワシントンはイギリス国王への忠誠を誓う一人の臣民でした。

イギリスの臣民としての人生

1732年にバージニア植民地で生まれたワシントンは、人生の大部分をイギリスの臣民として過ごしました。若き日の彼は、本国イギリスに対して強い忠誠心を抱いていたと考えられています。当時の北米植民地の人々にとって、「イギリス人であること」は誇りであり、アイデンティティの中核でもあったのです。

フレンチ・インディアン戦争での活躍

1750年代に勃発したフレンチ・インディアン戦争(北米における七年戦争)では、ワシントンはイギリス軍側のバージニア民兵連隊の将校として、フランス軍と戦いました。オハイオ渓谷をめぐる激しい攻防の中で、彼は幾度も命の危険にさらされながら、軍人としての名声を確立していきました。この経験こそが、後の彼の軍事的キャリアの出発点となりました。

関係が変化したのは独立戦争前夜

ワシントンの態度が変化したのは、1765年の印紙法やタウンゼント諸法など、イギリス本国による一連の課税政策が導入されてからのことです。大地主であり商人でもあった彼は、「代表なくして課税なし」という原則に反する本国の政策に対し、次第に強い危機感を抱くようになりました。

こうした経緯を経て、1775年に始まったアメリカ独立戦争では、ワシントンは大陸軍総司令官としてイギリス軍と対峙することになります。しかし、これはイギリスという国そのものへの憎悪からではなく、自らの権利と自由を脅かす本国の政策への抵抗だったのです。

まとめ

ワシントンは生涯を通じてイギリスの文化や制度を尊重し続けました。「反英的な人物」という印象は、独立戦争における指導者的役割から生まれた後世の見方にすぎません。彼がイギリスを個人的に憎んでいたという事実は、歴史上確認されていないのです。