答えは「否」――ハミルトンは連合規約の批判者だった
アレクサンダー・ハミルトンは、アメリカ独立直後に採択された最初の国家憲章である連合規約(Articles of Confederation)に対して、一貫して批判的な立場を取った人物です。彼はむしろ、より強力な中央政府を樹立するために先頭に立った提唱者でした。
連合規約の何が問題だったのか
ハミルトンは、連合規約があまりにも脆弱で分権的であると考えていました。この体制下では、個々の州が過大な権限を握り、国家全体としてまとまりのある政策を実行することが極めて困難になっていたのです。実際、連合会議には課税権がなく、州間の紛争を調停する力も限られていました。
ハミルトンが求めた強力な中央政府
ハミルトンは、以下のような目的を達成するためには、より強力な中央政府が不可欠であると主張しました。
- 州際通商の規制:州ごとに異なる商業慣行や関税を統一し、経済の安定を図る
- 外国からの脅威への防衛:統一された軍事・外交政策による国家の安全保障
- 財政政策の調整:全国的な税制や公債管理の一元化
その後の歴史的展開
こうしたハミルトンの構想は、1787年のフィラデルフィア憲法制定会議や、ジェームズ・マディソンらと共に執筆した『フェデラリスト』論考を通じて具体化され、最終的には現行のアメリカ合衆国憲法の成立、そして初代財務長官としての強固な連邦政府づくりへと結実していきました。