ヨーロッパの歴史

「大妥協」と「5分の3妥協」はどのようにして制憲会議の合意形成に貢献したのか?

大妥協(コネチカット案)とは

大妥協(Great Compromise)は「コネチカット案」とも呼ばれ、人口の多い州と少ない州の間で対立していた議会における代表権の問題を解決した重要な合意です。

この妥協により、アメリカ連邦議会は二院制として確立されました。上院では各州が同数の議席を持つ平等代表制が採用され、下院では各州の人口に応じて議席数が配分される人口比例代表制が採られました。

その結果、大国・小国のいずれの州も、新しい連邦政府において発言権を確保できるようになりました。

5分の3妥協とは

5分の3妥協(Three-fifths Compromise)は、下院の議席配分や課税のために州の人口を算定する際、奴隷とされた人々をどのように数えるかという難題に対応したものです。

この妥協では、奴隷とされた人口の5分の3を実際の人口としてカウントすることが定められました。これにより南部諸州は一定の政治力を維持できる一方で、奴隷制をめぐる道徳的な懸念にもある程度配慮した形となりました。

この取り決めは大きな論争を呼びましたが、北部と南部の利害のバランスを取ることで、会議を前進させる原動力となりました。

二つの妥協がもたらした歴史的意義

これら二つの妥協は、州ごとに異なる利害関係の溝を埋める架け橋となり、新しい連邦政府の構造と代表制度に関する合意形成を可能にしました。1787年の憲法制定会議が決裂を回避し、アメリカ合衆国憲法の成立に至れたのは、こうした相互譲歩の精神があったからこそだといえます。