背景:高まる排外主義の声
第一次世界大戦後のアメリカでは、移民の急増に対する不安や外国人排斥(ナティビズム)の感情が社会全体で高まっていました。こうした世論の懸念に応える形で、議会は1921年に移民を制限する緊急法を可決しました。
1890年の国勢調査に基づく国籍別割当制度
この法律の中心的な規定の一つが、国籍ごとの移民割当枠(クォータ)の設定です。割当は1890年の国勢調査を基準として定められました。これは、1890年の時点でアメリカ合衆国へ多くの移民を送り出していた国は、引き続き多数の移民を送ることが認められた一方、当時まだ移民が少なかった国からはごく少数しか受け入れられないことを意味します。
北欧・西欧出身者を優遇する仕組み
この法律は、南欧や東欧からの移民よりも「望ましい」とみなされていた北欧・西欧諸国出身の移民を優遇するよう設計されていました。その結果、伝統的な移民の送り出し地域であった北・西ヨーロッパ諸国には有利に働き、南欧・東欧諸国からの移住は大幅に制限されることとなりました。