1915年、ドイツとアメリカ合衆国の間の貿易は、第一次世界大戦の勃発によって深刻な打撃を受けました。両国間の通商が途絶えるに至った背景には、いくつかの重要な要因がありました。
1. 連合国軍による海上封鎖
イギリスやフランスを含む連合国は、ドイツへの重要な物資や資源の供給を遮断するため、海上封鎖を実施しました。この封鎖により、ドイツ船がアメリカの港に到達することは極めて困難となり、両国間の貿易は大きな混乱に陥りました。
2. アメリカの中立政策の限界
開戦当初、アメリカは中立を宣言し、連合国とドイツ双方との貿易関係を維持しようとしました。しかし、戦争が激化するにつれ、ドイツの無制限潜水艦作戦がアメリカの船舶や国民の生命を脅かすようになると、世論は次第に連合国側へと傾いていきました。この国民感情の変化により、アメリカがドイツとの貿易を続けることはますます難しくなっていきました。
3. ルシタニア号沈没事件
1915年5月、ドイツのUボート「U-20」が、アイルランド沖で航行していたイギリスの旅客船RMSルシタニア号を魚雷攻撃により撃沈しました。この悲劇では、128人のアメリカ人を含む1,100人以上が命を落としました。ルシタニア号の沈没はアメリカ国内に大きな衝撃と怒りを引き起こし、両国関係は著しく悪化。さらなる貿易制限へとつながっていきました。
4. ツィンメルマン電報事件
1917年初頭、イギリスは、ドイツ外相アルトゥール・ツィンメルマンから駐メキシコ・ドイツ大使宛てに送られた秘密電報を傍受・解読しました。この電報には、ドイツとメキシコが同盟を組み対米戦争に臨むこと、その見返りとして、メキシコがテキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の旧領土を取り戻すための支援をドイツが行うことが提案されていました。電報の内容が公表されると、アメリカ世論は激怒し、対独感情は決定的に悪化しました。
5. アメリカの第一次世界大戦参戦
1917年4月、アメリカは正式にドイツに対して宣戦布告を行い、両国間に残っていた貿易は完全に終わりを迎えました。アメリカは連合国側に加わり、兵員、物資、資金の面でドイツおよびその同盟国に対する戦争努力に大きく貢献することになりました。
まとめ
これらの要因が重なり合った結果、第一次世界大戦中、ドイツとアメリカの貿易は事実上停止状態に陥りました。両国の貿易関係がようやく回復したのは、1918年の終戦後のことでした。