ヨーロッパの歴史

19世紀アメリカで「銀の自由鋳造」を支持した人々とは?

19世紀後半のアメリカでは、銀の自由鋳造(フリー・シルバー)をめぐって激しい政治的論争が繰り広げられました。金本位制に対する代替案として銀貨の無制限鋳造を求めるこの運動は、以下のようなグループや個人によって強く支持されました。

人民党(ポピュリスト党)

人民党は、19世紀末に設立されたアメリカの政党です。同党は銀の自由鋳造に加え、政府による通貨供給量の管理や累進課税制度の導入といった一連の経済改革を掲げ、農民や労働者の窮状に応える政策を訴えました。

農民たち

19世紀のアメリカ農民の多くは、銀の自由鋳造が通貨供給量を増やし物価を引き上げることで、重い負債の実質的な負担を軽減できると期待していました。また、インフレーションによって自らの生産物が国際市場でより競争力を持つようになることも、農民たちがこの政策を支持した大きな理由でした。

銀鉱業界

アメリカ国内の銀鉱山事業者たちも、銀の自由鋳造を積極的に支持しました。銀貨の発行が増えれば銀への需要が高まり、直接的な利益増加につながると考えたためです。

ウィリアム・ジェニングス・ブライアン

ウィリアム・ジェニングス・ブライアンは、1896年と1908年に民主党から大統領候補に指名された政治家兼雄弁家です。彼は銀の自由鋳造の最も有名な擁護者の一人であり、この問題を大統領選挙運動の中心的な争点としました。特に1896年の民主党全国大会での「黄金の十字架」演説は、フリー・シルバー運動の歴史において象徴的な名演説として知られています。

その他の支持者

これら以外にも、労働組合や中小企業の関係者が銀の自由鋳造を支持しました。また、金のみに基づく単一本位制よりも、金と銀の両方を裏付けとした複本位制の方が通貨として安定しており、経済全体にとって有益であると考える人々も、この運動に加わりました。