ヨーロッパの歴史

最も成功した十字軍は何か?第1回十字軍の成果を解説

最も成功した十字軍は第1回十字軍(1096年~1099年)

歴史上数多く行われた十字軍の中で、最も成功したと評価されているのが第1回十字軍(1096年~1099年)です。聖地エルサレムの奪還という当初の目標を見事に達成し、中東に十字軍国家群を築き上げた唯一の遠征として知られています。

十字軍のきっかけ

1095年、ローマ教皇ウルバヌス2世はフランス南部のクレルモンで開かれた教会会議において、聖地への巡礼者の保護とビザンツ帝国(東ローマ帝国)への支援を訴え、東方への聖戦を呼びかけました。この演説に応える形で、西ヨーロッパ各地から騎士たちや一般民衆が次々と遠征に参加していきました。

遠征の経過とエルサレム陥落

十字軍は小アジアでニカイアを奪還し、長期にわたる包囲戦の末にアンティオキアを攻略しながら南進を続けました。そして1099年7月15日、エルサレムを包囲して総攻撃を仕掛け、市街を制圧することに成功しました。当時のエルサレムは、セルジューク朝の支配を経てファーティマ朝の手に移っていたばかりでしたが、それでも十字軍にとって最大の目標である聖地の確保は偉大な成果となりました。

エルサレム王国の建国と十字軍国家の成立

エルサレム占領後、十字軍の指導者の一人であるゴドフロワ・ド・ブイヨンを頂点にエルサレム王国(1099年)が建国されました。実はこれに先立ち、遠征の途上でエデッサ伯国(1098年)とアンティオキア公国(1098年)がすでに成立しており、その後トリポリ伯国(1109年)が加わって4つの十字軍国家が整いました。エルサレム王国はその中核を担う、最も重要な国家とされたのです。

なぜ「最も成功」と評されるのか

その後に続いた十字軍の多くは、軍事的にも政治的にも失敗に終わり、聖地を取り戻すことはできませんでした。一方、第1回十字軍は目的を達成しただけでなく、以後約200年間存続することになる十字軍国家群を築き上げた点で際立っています。こうした圧倒的な成果ゆえに、第1回十字軍は「最も成功した十字軍」と位置づけられているのです。