第二次世界大戦が終結した1945年以降、ヨーロッパは大きく二つの勢力圏に分断されました。ソビエト連邦(ソ連)の影響下に置かれた東欧諸国では、次々と共産主義政権が樹立され、「鉄のカーテン」によって西側諸国との間で東西分断が固定化していきました。
戦後共産主義化したヨーロッパの国々
第二次世界大戦後、共産主義体制へ移行した主なヨーロッパの国は以下の通りです。
1. ポーランド
ソ連軍の占領下で親ソ政権が成立し、1952年にポーランド人民共和国として正式に共産主義国家となりました。ワルシャワ条約機構の中核メンバーの一つでした。
2. 東ドイツ(ドイツ民主共和国)
敗戦後、ドイツは米英仏の占領区域とソ連占領区域に分割され、1949年にソ連占領地域がドイツ民主共和国(東ドイツ)として建国されました。1990年のドイツ再統一まで存続しました。
3. チェコスロバキア
1948年の「プラハ・クーデター」により共産党が権力を掌握し、東側陣営に組み込まれました。1968年には自由化運動「プラハの春」がソ連主導の軍事介入によって抑え込まれました。
4. ハンガリー
ソ連の影響下で共産党政権が確立され、1949年にハンガリー人民共和国が成立しました。1956年にはハンガリー動乱が発生し、ソ連軍によって鎮圧されています。
5. ルーマニア
1947年に国王が退位させられ、ルーマニア人民共和国が成立。後にチャウシェスク政権下で独自路線を取ることもありましたが、強権的な社会主義体制が続きました。
6. ブルガリア
ソ連と歴史的・文化的な結び付きが強く、1946年に王制が廃止されてブルガリア人民共和国となりました。ソ連への忠誠度が最も高い衛星国とされます。
7. アルバニア
パルチザン闘争を率いたエンヴェル・ホッジャのもとで1946年にアルバニア人民共和国が成立。当初はソ連と同盟し、後に中国と接近するなど独自の道を歩みました。
8. ユーゴスラビア
チトー(ヨシップ・ブロズ・チトー)率いるパルチザンが自力で解放したことが特徴で、1945年にユーゴスラビア連邦人民共和国が成立しました。1948年にはスターリンと対立してソ連から離反し、非同盟路線を採用した点で他の東欧諸国とは一線を画します。
これらの国々に共通する背景
これらの国々が共産主義化した最大の要因は、終戦時にソ連軍が東欧の大部分を占領していたことにあります。ソ連は各国に親ソ的な共産党政権を樹立させ、経済・軍事・外交の面で強い統制を敷きました。1949年には経済協力機構COMECON(コメコン)、1955年には軍事同盟ワルシャワ条約機構が設立され、東側陣営としての結束が固められました。
ただし、ユーゴスラビアやアルバニアのように、必ずしもすべての国がソ連の支配下に入ったわけではない点も重要です。また、ギリシャやトルコなど一部の国では共産化を免れ、西側陣営に加わりました。
まとめ
第二次世界大戦後、ポーランド、東ドイツ、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア、ユーゴスラビアの8か国が共産主義国家となりました。この東西分断の構図は1989年の東欧革命、そして1991年のソ連崩壊によって解体されるまで、約40年以上にわたって冷戦時代の世界秩序を形作り続けたのです。