ヨーロッパの歴史

第一次世界大戦における主要な中立国6か国とは?それぞれの中立の理由を解説

第一次世界大戦と中立国の役割

1914年に勃発した第一次世界大戦では、ヨーロッパの列強が連合国側と中央同盟国側に分かれて戦いましたが、その一方で、戦争への不参加を宣言し、中立の立場を貫いた国々も存在しました。ここでは、当時の主要な中立国6か国と、それぞれが中立を選んだ背景について詳しく解説します。

1. アメリカ合衆国

アメリカは1914年の開戦時に中立を宣言しました。しかし、戦争の進展とともに次第に中立的立場から離れ、1915年には連合国側への金融支援を開始します。そして1917年、ドイツによる無制限潜水艦作戦やツィンマーマン電報事件などを背景に、連合国側として参戦しました。

2. スペイン

スペインは開戦と同時に中立を宣言し、終戦までその立場を維持しました。国内の政治的不安定さや経済的な問題を抱えていたことが、大規模な軍事介入を避ける大きな要因となりました。その一方で、中立国として交戦国双方との貿易を通じて経済的利益を得た面もあります。

3. スイス

スイスは開戦時に中立を宣言し、戦争期間を通じて中立を守り抜きました。これは1815年以降続く永世中立という長年の伝統的政策に基づくものです。また、赤十字国際委員会などの国際機関の拠点を抱える国際外交の舞台としての役割も、中立維持の重要な要素となっていました。

4. オランダ

オランダも開戦時に中立を宣言し、終戦まで中立を維持しました。国土が小さく、両陣営いずれからの攻撃にも脆弱であったため、慎重な中立政策を採らざるを得ませんでした。戦争中には隣国ベルギーから大量の避難民を受け入れたことでも知られています。

5. スウェーデン

スウェーデンは開戦時に中立を宣言し、戦争を通じて中立を保ちました。地理的に比較的孤立した位置にあることに加え、交戦国双方との貿易に依存していたことが、中立維持の主な理由でした。ただし、鉄鉱石の輸出などをめぐって、一時的にドイツ寄りの姿勢が指摘されることもありました。

6. ノルウェー

ノルウェーも開戦時に中立を宣言し、終戦まで中立を維持しました。小国であることと、両陣営からの攻撃に対する脆弱性が、中立政策の主な背景です。しかし、大型の商船隊を有していたため、ドイツの潜水艦攻撃によって多くの船員が犠牲になるなど、中立国でありながら戦争の影響を強く受けました。

まとめ

第一次世界大戦における主要な中立国は、アメリカ合衆国、スペイン、スイス、オランダ、スウェーデン、ノルウェーの6か国です。各国の地理的・政治的・経済的な事情が中立政策の背景にありました。なお、スペイン、スイス、オランダ、スウェーデン、ノルウェーの5か国は終戦まで中立を維持しましたが、アメリカは1917年に連合国側として参戦し、戦争の帰趨に決定的な影響を与えることになりました。