第二次世界大戦中、フランス本土の多くはナチス・ドイツに占領されましたが、終戦とともに主権を回復し、いくつかの地域が再びフランスの統治下に戻りました。ここでは、戦後にフランスが支配・統治することになった主要な地域について詳しく解説します。
1. アルザス=ロレーヌ(Alsace-Lorraine)
アルザス=ロレーヌは、1871年の普仏戦争後にドイツ帝国へ併合された歴史を持つ地域です。第一次世界大戦後には一時フランスに返還されましたが、第二次世界大戦中の1940年から1944年にかけて、再びナチス・ドイツによって占領・事実上併合されました。1944年から1945年にかけて連合軍がこの地域を解放し、フランスはアルザス=ロレーヌへの主権を完全に回復しました。現在ではアルザスやロレーヌ(グラン・テスト地方の一部)として、フランス共和国の重要な一角を成しています。
2. コルシカ島(Corsica)
コルシカ島は地中海に浮かぶ島で、現在もフランス領です。第二次世界大戦中の1942年11月、イタリア軍とドイツ軍が一時この島を占領しましたが、1943年9月から10月にかけて自由フランス軍と連合国軍によって解放されました。コルシカ島はフランス領土として最初に解放された地域として知られており、以後フランスの統治が復活しました。
3. ニースとサヴォワ周辺(Nice and Savoy)
なお、ニースとサヴォワ自体は1860年のトリノ条約によってすでにフランス領となっており、戦後にイタリアから譲渡されたものではありません。ただし、1947年のパリ平和条約では、イタリアとの国境調整の一環として、タンド(Tende)やラ・ブリグ(La Brigue)などの小規模な国境地域がイタリアからフランスへ編入されました。これにより、南東国境におけるフランスの統治範囲が確定しました。
海外植民地・海外領土の統治
さらに見落とせないのが、戦時中および戦後にフランスが維持していた広大な植民地と海外領土の存在です。特に以下の地域が挙げられます。
- アフリカ: アルジェリア、モロッコ、チュニジア(北アフリカ)をはじめ、フランス領西アフリカ、フランス領赤道アフリカ、マダガスカルなど、広大な地域がフランスの支配下にありました。
- 東南アジア: 現在のベトナム、ラオス、カンボジアにあたるフランス領インドシナが該当します。ただし、戦後の独立運動の高まり(第一次インドシナ戦争)により、1954年までにフランスの統治は終わりを迎えます。
- その他: シリアやレバノンの委任統治領、太平洋やカリブ海の海外領土なども引き続きフランスの管理下に置かれました。
まとめ
第二次世界大戦後のフランスは、アルザス=ロレーヌやコルシカ島といった本土の失地を回復するとともに、1947年のパリ平和条約による国境調整を経て、現行の国土の輪郭をほぼ確定させました。一方で、アフリカや東南アジアに残された広大な植民地は、その後の脱植民地化の波の中で次々と独立していくことになります。