ヨーロッパの歴史

イギリスの配給制度はどれくらい続いた?14年6か月に及ぶ食料統制の歴史

イギリスの配給制度は14年6か月間続いた

イギリスにおける食料配給(rationing)は、1940年1月8日に始まり、1954年7月4日にようやく終了しました。その期間は実に14年と6か月に及びます。第二次世界大戦が始まってから終戦後の復興期まで、イギリス国民は長いあいだ配給制度のもとで生活することになったのです。

なぜ配給制度が導入されたのか

1939年9月に第二次世界大戦が勃発すると、ドイツ軍による海上封鎖の脅威や輸送船への攻撃により、海外からの食料供給が深刻な危機に直面しました。そこでイギリス政府は、食料を公平に分配し、国民全員が必要な栄養を確保できるようにするため、1940年1月からバター、砂糖、肉などの品目に対して配給制度を導入したのです。

戦後も続いた統制

通常なら戦争が終われば配給も解除されると思われますが、イギリスの場合は事情が異なりました。終戦後もヨーロッパ全体の食糧事情は逼迫しており、経済的な混乱や外貨不足も重なり、政府は配給制度を維持せざるを得ませんでした。むしろパンについては、戦争中は一度も統制されなかったにもかかわらず、戦後の1946年から1948年にかけて一時的に配給対象となったという皮肉な事実もあります。

配給の終了までの道のり

1950年代に入ると状況は徐々に改善へと向かいました。1953年2月には菓子類の配給が廃止され、そして1954年7月4日、最後まで残っていた肉類の配給がついに撤廃されました。この日をもって、イギリスの食料配給制度は正式に幕を下ろしたのです。14年以上にわたる節約と忍耐の時代の終わりは、多くの国民にとって記念すべき出来事となりました。