第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件
1914年6月28日、オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者であるフランツ・フェルディナント大公は、ボスニアの首都サラエボを公式訪問中に暗殺されました。この悲劇的な事件は、まもなくヨーロッパ全土を戦火に巻き込むことになる第一次世界大戦勃発の直接的なきっかけとなった、歴史上きわめて重要な転換点です。
妻ゾフィーへ向けた最期の言葉
大公夫妻を乗せた自動車は、セルビア人青年ガヴリロ・プリンツプによって襲撃されました。致命傷となる銃弾を受けながらも、大公が隣り合う座席にいた最愛の妻ゾフィー(ホーエンベルク公爵夫人)に向けて放った言葉は、以下の通りだと伝えられています。
「ゾフィー、死ぬな! 子供たちのために生きてくれ!」
夫婦の突然の死
しかし、この切実な願いは叶わぬまま、ゾフィーも間もなく息を引き取りました。夫妻はほぼ同時に亡くなり、残されたのはまだ幼い3人の子どもたちでした。愛する家族への想いを託した大公の最期の言葉は、激動の20世紀の幕開けを象徴する痛ましい逸話として、今も語り継がれています。