第一次世界大戦で崩壊したヨーロッパの四大帝国
第一次世界大戦(1914年〜1918年)は、ヨーロッパの歴史における最大の転換点の一つとなりました。この戦争の結果、それまで世界の強国として君臨していた四大帝国――ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国、ロシア帝国、オスマン帝国――が相次いで崩壊し、ヨーロッパの地図は大きく塗り替えられることになりました。
1. ドイツ帝国
ドイツ帝国は第一次世界大戦に敗北し、ヴェルサイユ条約によって広範な領土を連合国側に割譲しました。具体的には、
- アルザス=ロレーヌ地方をフランスへ
- エウペン=マルメディをベルギーへ
- 北シュレースヴィヒをデンマークへ
- 西プロイセン、ポーゼン、上シュレージエンの一部をポーランドへ
それぞれ譲渡しています。さらに、海外の植民地もすべて連合国によって分割され、ドイツの植民地帝国は完全に消滅しました。
2. オーストリア=ハンガリー帝国
多民族国家として繁栄したオーストリア=ハンガリー帝国も、敗戦とともに解体への道をたどりました。
- オーストリア側:南チロルをイタリアへ、ブコビナをルーマニアへ、ガリツィア・ロドメリアをポーランドへ、ダルマチアをユーゴスラビアへ割譲
- ハンガリー側:トランシルヴァニアをルーマニアへ、スロバキアをチェコスロバキアへ、クロアチア=スラヴォニアをユーゴスラビアへ割譲
こうして帝国は、オーストリアとハンガリーという小規模な国家へと分裂することになりました。
3. ロシア帝国
ロシア帝国は、1917年のロシア革命による帝政崩壊と戦争の敗北が重なり、広大な領土を失いました。フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドが新たな独立国家として誕生し、ベッサラビア(現在のモルドバ周辺)はルーマニアへ編入されました。これらの地域は、連合国および新興独立国の間で再編成されることになったのです。
4. オスマン帝国
オスマン帝国もまた敗戦により領土の大半を喪失しました。アラビア半島、シリア、レバノン、パレスティナ、トランスヨルダン、イラクなどは連合国の委任統治下に置かれ、キプロスも手放すことになりました。帝国は1922年に正式に消2年に正式に消滅し、翌1923年にはトルコ共和国が成立しました。
帝国崩壊がもたらしたもの
かつて世界最強クラスの力を誇ったこれら四大帝国の崩壊は、単なる領土の再編にとどまらず、一つの時代の終わりを意味する出来事でした。多数の新興国民国家が誕生し、ヨーロッパのみならず世界全体の秩序が根本から作り変えられたのです。この変革は、民族自決の理念の広がりや国際連盟の設立といった、20世紀の新しい国際秩序の基盤にもつながっていきました。