ヘンリー8世は常に王になるつもりだったのでしょうか?
実は、ヘンリー8世が生まれたときからイングランド王になる運命にあったわけではありません。彼は国王ヘンリー7世と王妃エリザベス・オブ・ヨークの次男として、1491年6月28日に誕生しました。
当時、王位継承者の座にあったのは、兄であるアーサー王子(プリンス・オブ・ウェールズ)です。ヘンリーは15歳になるまで、「王の弟」として育てられ、将来は聖職者や貴族としての道を歩むものと見られていました。そのため、幼少期のヘンリーは自由な環境の中で教育を受け、ラテン語やフランス語、音楽、スポーツなど幅広い教養を身につけたと言われています。
兄アーサーの死が運命を変えた
状況が一変したのは1502年4月のことです。王太子アーサーがわずか15歳で病に倒れ、この世を去ったのです。この突然の死により、ヘンリーはコーンウォール公爵、そしてまもなくプリンス・オブ・ウェールズ(王太子)として新たな王位継承者となりました。
こうして急遽「次期国王」として再教育を受けたヘンリーは、父ヘンリー7世が亡くなった1509年4月、17歳でイングランド王として即位します。
つまりヘンリー8世は、偶然の悲劇によって王冠を手にすることになったのです。この予想外の即位こそが、後の宗教改革や6度の結婚など、彼の劇的な治世の背景にある重要な要素だと言えるでしょう。