ヨーロッパの歴史

神と人がローマを選んだのは偶然ではない――古代地理学者ストラボンが語る都市の理想的な立地

「神と人がこの都を選んだ」――ストラボンの名言

「神と人がこの都市の場所を選んだのには、正当な理由がなかったわけではない」という言葉は、古代ローマの歴史家であり地理学者でもあるストラボン(Strabo)によるものです。彼は古代世界の地理と歴史について広範な著作を残し、当時の文化や文明に関する貴重な洞察を後世に伝えています。

テヴェレ川がもたらした交易と交通の利便性

ストラボンの言葉は、ローマの立地が持つ戦略的重要性を浮き彫りにしています。ローマはテヴェレ川の河岸に建設され、川を通じて海へとアクセスできるため、交易や通信の発展に大きく貢献しました。さらに、都市は複数の重要な交易路が交差する要衝に位置していたことから、商業活動の中心地として栄えることになったのです。

神聖視されたテヴェレ川と神々の導き

この言葉には、「神と人の双方にとって好ましい場所であった」という意味も込められています。これは、古代ローマ人にとってテヴェレ川が神聖な川とみなされていたこと、そして都市が神々の導きのもとに建国されたという信仰と深く結びついています。建国伝説では、ロームルスとレムスが鳥占いによって都の場所を定めたと語られており、立地そのものに神的な意味が見出されていたのです。

立地が支えたローマの繁栄

総じて、ストラボンの言葉は、交易・通信・居住のいずれの面においても理想的だったローマの立地を強調するものです。こうした恵まれた地理的条件こそが、古代世界におけるローマの隆盛と卓越した地位を支える大きな要因となったと言えるでしょう。