16世紀のオスマン帝国は、セリム1世やスレイマン大帝らの時代に急速な領土拡大を遂げ、三大陸にまたがる巨大帝国へと発展しました。ここでは、この時期にオスマン帝国の支配下となった新しい領土を、地域ごとにわかりやすく整理してご紹介します。
ヨーロッパ方面の領土
ハンガリー
オスマン帝国はハンガリー中部を直接支配する「オスマン領ハンガリー」とし、直接統治が及ばなかった残存ハンガリー(王領ハンガリー周辺)に対しても宗主権を行使しました。
南東ヨーロッパ(ルメリア)
「ルメリア」と呼ばれたバルカン地域には、以下の地域が含まれます。
- アルバニア
- セルビア
- ボスニア・ヘルツェゴビナ
- ブルガリア
- トラキア
- マケドニア
- ギリシャ(最南端の一部を除く)
つまりバルカン半島のほぼ全域がオスマンの支配下に入りましたが、南ギリシャは例外とされました。
キプロス
東地中海の要衝であるキプロス島も帝国の領土に組み込まれ、海上交易路の支配強化に貢献しました。
中東・レヴァント地方の領土
レヴァント(シリア・パレスチナ)
シリアやエレツ・イスラエル(イスラエルの地)を含むレヴァント地方を獲得し、さらにヨルダン川東岸(トランスヨルダン)に対しても宗主権を及ぼしました。
ヒジャーズ(聖地を含む)
イスラームの二大聖地であるメッカとメディナを擁するヒジャーズ地方も支配下に置かれ、オスマン皇帝はカリフとしての宗教的権威を大きく高めました。
イラク(メソポタミア)
古代文明発祥の地として知られるメソポタミア(現在のイラク)も帝国の版図に加わりました。
アラビア東部(アル=ハサ)
ペルシャ湾岸に位置するアル=ハサ地方(現在のサウジアラビア東部)も支配圏に含まれました。
北アフリカの領土
- トリポリタニア(現在のリビア西部)
- チュニジア
- アルジェリア
- エジプト
これによりオスマン帝国は地中海の南岸を広く掌握し、地中海をほぼ「内海」とする勢力圏を築き上げました。
コーカサス地方の領土
黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方の一部も獲得しています。具体的には以下の地域です。
- ダゲスタン
- アゼルバイジャン
- 東アルメニア
- 西グルジア(ジョージア)
まとめ
16世紀のオスマン帝国は、アナトリア(小アジア)を基盤としながら、バルカン半島から中東、北アフリカ、コーカサスに至る広大な領域を支配しました。特にメッカ・メディナという聖地の確保は、帝国の宗教的正当性を強化する重要な要素となり、その後の繁栄の基礎が築かれた時代といえます。