はい、多くのアイルランド人が第二次世界大戦中、連合国側の軍隊に従軍しました。アイルランドは公式には開戦から終戦まで中立の立場を維持していましたが、多くの市民がイギリスや連合国の大義に強い絆を感じており、戦争遂行に多大な貢献を果たしました。この記事では、第二次世界大戦におけるアイルランド人の連合国への関わりについて、詳しく見ていきます。
公式には「中立」だったアイルランド
1939年に第二次世界大戦が勃発すると、エイモン・デ・ヴァレラ首相率いるアイルランド政府は中立政策を宣言し、国内ではこの時期を「緊急事態(The Emergency)」と呼びました。しかし、歴史的・文化的にイギリスと深く結びついていたアイルランドにとって、中立の維持は容易なことではなく、実際には多くの国民がさまざまな形で連合国側の戦争遂行に関わっていきました。
イギリス軍に従軍したアイルランド人
イギリスに居住する多数のアイルランド市民がイギリス軍に入隊しました。推計によると、約15万人のアイルランド生まれの人々がイギリス陸軍、王立空軍(RAF)、王立海軍に勤務したとされています。
彼らは歩兵、砲兵、装甲部隊、空軍など幅広い役割で活躍し、多くの者が戦闘で目覚ましい武勲を挙げ、勇敢さを称える勲章を受章しました。
なかでもイギリス陸軍の歩兵連隊「アイリッシュガーズ」は、オランダのアルンヘムの戦いなど主要な作戦で重要な役割を果たしたことで知られています。
アメリカ軍で戦ったアイルランド系アメリカ人
一方、アメリカでは多くのアイルランド系移民の子孫たちが、義務感と民主主義の理想を守りたいという思いからアメリカ軍に志願・入隊しました。
彼らは陸軍、海軍、海兵隊、空軍といったアメリカ軍のあらゆる部門で勤務し、ヨーロッパ戦線や太平洋戦線など、各地の戦域で戦いました。アイゼンハワー大統領(当時は将軍)をはじめ、アイルランド系の指揮官や兵士が連合国の勝利に大きく寄与した点は特筆に値します。
ボランティアと人道支援活動
軍務に就いた者だけではありません。多くのアイルランド人が、ボランティア活動や人道支援を通じて戦争遂行に貢献しました。
数多くのアイルランド人が赤十字などの組織で働き、ヨーロッパやその他の地域で戦禍に苦しむ民間人へ援助の手を差し伸べました。また、一部のアイルランド人医師や看護師は、戦場で医療チームの一員として傷病者の治療にあたりました。
外交面での静かな貢献
公式な中立にもかかわらず、アイルランド政府と外交団は、連合国諸国間の意思疎通を円滑化し、情報交換の経路を維持するうえで貴重な役割を担いました。
さらに、大西洋上で撃墜されアイルランドに不時着した連合国軍のパイロットに対しては、安全な避難場所と医療支援を提供し、本国への送還手配まで行いました。気象データの共有など、連合国の作戦(ノルマンディー上陸作戦など)を間接的に支えた事例もあるとされています。
まとめ
第二次世界大戦中のアイルランド人の連合国への関わりは、イギリスやアメリカとの強い結びつき、そしてファシズムと専制に対する共通の闘いという意識を反映したものでした。公式には中立を守りながらも、彼らの貢献は前線での直接の戦闘から人道支援、外交面での協力まで、実に多岐にわたっていたのです。