ヨーロッパの歴史

ドイツはハンガリーに侵攻したのか?誤解されやすい第二次世界大戦の歴史的事実

第二次世界大戦中、ドイツがハンガリーに侵攻したという認識は、実は誤解です。戦争の初期段階において、ハンガリーは自らの意思で枢軸国陣営に加わり、1941年6月にはソ連に対して宣戦布告を行いました。

ハンガリーの枢軸国参加と対ソ宣戦

ハンガリーは1940年11月20日に日独伊三国同盟に加盟し、正式に枢軸国の一員となりました。さらに、1941年6月22日にドイツがソ連への侵攻(バルバロッサ作戦)を開始すると、ハンガリーは同年6月27日にソ連に対して宣戦布告し、東部戦線へ軍隊を派遣することになります。

ハンガリーが枢軸側を選んだ理由

当時のハンガリーは、第一次世界大戦後のトリアノン条約によって国土の大部分を失っており、領土修正主義を国是としていました。ドイツとの協力を通じて失われた領土の一部回復を実現できると考えたことが、枢軸国参加の大きな動機でした。また、周辺諸国との関係や政治的な事情も、ハンガリーをドイツ寄りの路線へと向かわせました。

補足:1944年のドイツ軍によるハンガリー占領

ただし、戦争末期の1944年3月には、連合国との単独講和を模索し始めたハンガリーに対し、ドイツ軍が実際に進駐する事態が起きています(マルガレーテ作戦)。「ドイツのハンガリー侵攻」というイメージは、この時期の出来事と混同されている可能性があります。

このように、ハンガリーは当初自主的に枢軸国に加わったものの、戦局の悪化とともに離反の兆しを見せ、最終的にはドイツの軍事的支配下に置かれることになりました。戦前と戦後では両国の関係が大きく異なるため、文脈を踏まえて理解することが重要です。