ヨーロッパの歴史

ヘンリー・A・キッシンジャーが1973年にノーベル平和賞を受賞したのはなぜ?

ヘンリー・A・キッシンジャーの1973年ノーベル平和賞受賞の理由

ヘンリー・A・キッシンジャーは、1973年にノーベル平和賞を受賞しました。受賞の対象となったのは、同年1月27日に調印された「パリ和平協定」です。この協定は、ベトナム戦争における戦闘行為とアメリカ軍による爆撃を停止させることを目的としたものでした。

当時、キッシンジャーはアメリカ合衆国の国家安全保障問題担当大統領補佐官(のちに国務長官)を務めており、北ベトナムの交渉代表であるレ・ドク・ト(Le Duc Tho)との秘密外交を通じて、この和平協定の締結に大きく貢献しました。その功績が評価され、キッシンジャーとレ・ドク・トは共同でノーベル平和賞を受賞することになったのです。

レ・ドク・トによる受賞辞退

興味深いことに、共同受賞者であるレ・ドク・トは、協定調印後もベトナムで戦闘が続いていることを理由に、この賞を辞退しました。これはノーベル平和賞の歴史において非常に珍しい出来事として知られています。

受賞をめぐる議論

一方、キッシンジャーが賞を受け取ったことについては、当時から大きな賛否両論がありました。実際、ノルウェー・ノーベル委員会の委員2名がこの決定に抗議して辞任するほどの波紋を呼びました。それでも、長期にわたったベトナム戦争の終結への道筋をつけたという点で、この受賞は歴史的な意義を持つものとされています。