ヨーロッパの歴史

第二次世界大戦中、ドイツはデンマーク侵攻を計画していたのか?「ヴェーザー演習南方」の全貌

第二次世界大戦中の1940年4月9日、ナチス・ドイツは隣国デンマークへの侵攻を開始しました。この作戦は「ヴェーザー演習南方(ヴェーザーウーブング・ズート)」と呼ばれ、その結果、デンマークはドイツ軍によって完全に占領されることとなりました。

ヴェーザー演習南方作戦とは

「ヴェーザー演習(Unternehmen Weserübung)」は、ドイツが北欧諸国への侵攻のために立案した総合的な軍事計画です。そのうちデンマークを対象とした部分が「ヴェーザー演習南方」であり、ノルウェーへの上陸作戦である「ヴェーザー演習北方」と同時に発動されました。

わずか数時間で終わった抵抗

ドイツ軍は陸・海・空の三方面から同時に攻撃を仕掛け、デンマーク軍は圧倒的な戦力差の前に有効な抵抗を行うことができませんでした。デンマーク政府は国民の犠牲を最小限に抑えるため、開戦からわずか6時間ほどで降伏を決断します。こうしてデンマークは、ほぼ無血に近い形でドイツの占領下に置かれたのです。

侵攻の背景と目的

ドイツがデンマーク侵攻に踏み切った主な理由は、以下の戦略的目的にありました。

  • ノルウェー産鉄鉱石の輸送路の確保
  • バルト海への戦略的アクセスの掌握
  • ユトランド半島という要衝の確保による北欧支配の足がかり

つまり、デンマーク侵攻は突発的な出来事ではなく、ドイツが綿密に準備した計画的な軍事作戦だったのです。

その後のデンマーク

占領後のデンマークは、当初は比較的穏やかな「モデル占領」と呼ばれる統治を受けましたが、1943年以降は抵抗運動が活発化し、状況は厳しさを増していきました。デンマークが解放されたのは、1945年5月、ヨーロッパでの戦争終結の時でした。占領期間は実に約5年に及びました。