フランスが北米大陸におけるカナダへの領有権を正式に放棄することになったのは、七年戦争(1756年〜1763年)です。この戦争は、ヨーロッパでは「七年戦争」と呼ばれましたが、北アメリカの戦線においては、イギリス側とフランス側にそれぞれ先住民部族が味方したことから、「フレンチ・インディアン戦争(French and Indian War)」という名称でも知られています。
七年戦争の背景
18世紀半ば、イギリスとフランスは北アメリカ大陸の覇権をめぐって激しく対立していました。フランスはセントローレンス川流域やミシシッピ川流域に広大な植民地網を築いていた一方、イギリスも東海岸沿いに13の植民地を拡大しつつあり、両国の勢力圏が衝突するのは時間の問題でした。
パリ条約(1763年)による領土の移譲
戦争は最終的にイギリスの優勢で終わり、1763年にパリで講和条約が調印されました。この「パリ条約」により、フランスはカナダ(ヌーベルフランス)およびミシシッピ川以東の領土をイギリスに割譲することを認めました。
こうして北米におけるフランスの植民地帝国は事実上崩壊し、カナダはイギリスの支配下に入ることとなりました。この出来事は、その後の北アメリカの歴史、ひいてはアメリカ独立戦争の遠因にもなった、極めて重要な転換点とされています。