5月17日「インターネットの日」の始まり
2005年10月、スペインにおいて、インターネット利用者協会(AUI)の主催により、初めての「インターネットの日」が開催されました。この第1回の取り組みでは、スペイン全土で534件の行事が実施され、200以上の公的・民間団体が情報社会の構築に向けた「原則宣言」に署名しました。
その直後の同年11月、開催された「世界情報社会サミット(WSIS)」は、国連総会に対し、5月17日を「世界情報社会デー」として制定するよう要請しました。これは、ICT(情報通信技術)の重要性と、サミットで議論された情報社会に関する諸課題を広く啓発することを目的としたものです。これを受けて、国連総会は毎年5月17日を「世界情報社会デー」と定めました。
なぜ「インターネットの日」を祝うのか
公式サイトdiadeinternet.orgによれば、「インターネットの日」とは「社会から生まれ、社会によって、社会のために展開されるネットワーク型プロジェクト」であり、すべての人の自由かつ自発的な参加に開かれた取り組みです。その狙いは、新しいテクノロジーがもたらす可能性を広く知らせ、地域社会と市民の生活水準の向上につなげることにあります。
私たちの日常生活において、インターネットとの接続が果たす役割は、個人生活でもビジネスでも疑いようのないものとなっています。そして、その利用がプラスにもマイナスにもなり得る以上、どう使うかは一人ひとりの意識にかかっているといえるでしょう。
誰もが対等に参加できるイベント
「インターネットの日」の重要な特徴の一つは、各団体が何を、どのように、誰に向けて行うかを自由に決定できる点です。参加の度合いも各自が判断でき、すべての参加者が対等に扱われます。また、この日は、まだインターネットに接続していない人々や障害のある方々へ、情報社会へのアクセスを促進する機会ともなります。さらに、スペインで培われた経験をもとに、他国へ同様の記念日を広める動きにもつながっています。
理想と現実のギャップ
こうした理念は美しい願いに聞こえますが、現実には冷や汗もののデータもあります。たとえば、セキュリティ企業カスペルスキーの調査によると、未成年者によるアダルトコンテンツページへのアクセス試行は、1日あたり16万件に上るという報告があります。また、インターネット上に公開されている百科事典的な情報のかなりの割合に深刻な事実誤認が含まれており、巨大な誤情報源と化している側面も指摘されています。これは、インターネット本来の目的や出発点を歪めるものでもあります。
世界情報社会サミットの宣言文
世界情報社会サミットの結論文書第121項には、次のように記されています。
「インターネットへのより深い理解を促進し、真に公共がアクセス可能な地球規模の資源とすることが必要である。5月17日は『世界情報社会デー』として毎年祝われ、この地球規模の資源の重要性、特にICTが社会と経済にもたらしうる可能性、そしてデジタルデバイド(情報格差)を埋める多様な方法を広く知らせる役割を担うものである。」
普及よりも先にある課題
しかし、利用の拡大以上に重要なのは、社会のさまざまな関係者への意識啓発という未完の課題かもしれません。国境を越えて人々をつなぐ無限の可能性を持つインターネットだからこそ、何を公開し、何を公開しないかというフィルターの問題も含め、良識なく使われることのないようにしなければなりません。
常にインターネットにつながって暮らす現代社会における大きな論点の一つは、本質的に開かれているアクセスそのものを統制することではなく、公開される情報の質と意図をどう担保するかにあります。現状では、それを支える法制度やルールづくりは依然として不十分です。
便利さの裏にある依存リスク
今やインターネットはあらゆる活動に不可欠です。個人のコミュニケーションやメールから、世界中の数百万の企業を支える高度なデータ処理システムまで、接続なしに今日の世界を想像することはできません。しかし、この過度な依存は最終的には諸刃の剣です。何らかの理由でシステムがダウンした際、私たちの行動力や対応力が著しく損なわれる危険性をはらんでいるからです。
「インターネットの日」に考えること
「インターネットの日」は、この20〜25年で「ネットワークのネットワーク」が獲得してきた多面的な姿――世界的な情報手段として、個人のコミュニケーション、知識、エンターテインメントの場として――を改めて見つめ、理解を深めるきっかけとなる日であるべきです。
最後に、インターネットに関する豆知識集「インターネットについて知らない20のこと」へのリンクをご紹介します。ぜひ覗いてみてください。