1889年から1930年にかけて続いた「旧共和国(ヴェリャ・レプブリカ)」と呼ばれる時代、ブラジルは数多くの社会的・経済的変革を経験しました。その成果は重要なものでしたが、その影響が本格的に現れたのは長期的な視点においてでした。
代表的な例として挙げられるのが、人口動態の急速な拡大です。ヨーロッパからの移民が継続的に流入し続けたことで、この時期の人口増加は一段と加速しました。
移民の流入と地域的な人口増加
移民たちはブラジルの南部および南東部に集中的に定住しました。その結果、これらの地域は他の地域と比べて著しく速いペースで人口が増加していくことになります。こうした人口分布の偏りは、後の経済発展の地域格差にもつながる重要な要因となりました。
サンパウロ州を中心とした工業化の進展
この時代に見られた最も重要な変革は、何といっても工業の発展です。特にサンパウロ州では顕著な工業成長が観察されました。これは、コーヒー生産などが同州に集中したことによって生まれた資本・労働力・インフラといった条件と、不可分の関係にありました。
第一次世界大戦がもたらした転機
ブラジルの工業発展に大きな弾みをつけたのは、1914年に勃発した第一次世界大戦でした。ヨーロッパ諸国の産業活動が戦争遂行のための生産へと集中した結果、輸出用の商品供給が大幅に減少しました。
その影響で、ブラジルへの輸入品は次第に減少し、国内での代替生産が進むことになりました。当時生産されていたのは、主に繊維製品や工業的に加工された食品といった非耐久消費財でした。
さらに、輸入品をめぐってブラジル通貨の為替レートが切り下げられたことも、外国製品との競争を抑える働きをし、国内産業の保護・育成につながりました。こうして、戦争という外部の危機が、結果としてブラジル工業化の出発点となったのです。