古代の歴史

ジェリコ941(Jericho 941)― UZIを生んだIWI製の名作ハンドガン

ジェリコ941(Jericho 941)― UZIを生んだIWI製の名作ハンドガン
ジェリコ941は、伝説的なサブマシンガン「UZI」を設計したイスラエル・ウェポン・インダストリーズ(IWI)が製造する自動拳銃です。その設計基盤となっているのは、チェコの名銃CZ 75。優れたエルゴノミクス(人間工学)設計により、手の大きさを問わず快適なグリップ感を実現しています。

使用弾薬は9mmパラベラム、.40S&W、.45ACPの3種類から選択でき、戦闘射撃では50mまで高い精度を維持します。訓練を積んだ射手であれば、毎分30発(約2マガジン分)の射撃が可能です。さらに.22LRへのコンバージョンキットも存在し、反動を抑えた低コストな訓練にも対応します。

この銃は、941および941Fのバージョンがベルギー国家保安局の要人警護部門で採用されていた実績も持っています。

技術的特徴(941R/941F)

口径:9mmパラベラム / .40S&W / .41アクション・エクスプレス
全長:20.7cm
高さ:11.2cm
空重量:1.09kg
装弾数:12/16/11発(CZ社製マガジンを使用すれば17発)

基本モデルはシングルアクション/ダブルアクションの両方式で作動します。フレームは鋼鉄製(ジェリコF)とポリマー製の2種類があり、銃身には平らな溝ではなく六角形の溝(ポリゴナルライフリング)が施されています。これにより銃身内の汚れの蓄積が抑えられ、良好な精度を維持できます。

系譜と互換性

ジェリコ941は、堅牢で実績豊かなブローニングGP35から派生した名銃CZ 75の直系子孫にあたります。CZ 75と同じマガジンや多数のパーツを共有しており、多くの部品を共通するタンフォリオ(Tanfoglio)製品とも互換性があります。

トリガーにはディンプル(くぼみ)がありませんが、ロシア製長物のような射撃フィーリングでありながら、動作が連続的で滑らかなため十分に扱いやすくなっています。

射撃性能

照準器は非常にシャープで実用性が高く評価されています。この銃は標的よりやや上方に着弾する傾向があり、これが射距離における柔軟性につながっています。92Fよりも重いことで速射時の安定性にも優れています。

また、他の多くの自動拳銃とは異なり、内部レールがスライドではなくフレーム側に配置され、スライドの下部を包み込む構造を採用している点も特筆されます。このため、例えば壁の角に押し付けた状態での射撃でもジャミング(作動不良)が起きにくくなっています。

あらゆる種類の弾薬を問題なく撃てると評判ですが、鉛弾頭のみは銃身のライフリングと相性が悪いため使用できません。また、弱装弾には耐性がない点にも注意が必要です。

採用国・運用実績

メーカーの名声と原型モデルの確かな実績に支えられ、ジェリコは世界中の多くの国で採用されています。

  • ベルギー:ベルギー警察で限定的に運用されました。
  • チリ:ジェリコFSLはチリ捜査警察(Policía de Investigaciones de Chile)の制式武器の一つです。
  • コロンビア:コロンビア国家警察が調達しました。
  • コスタリカ:公安軍(Force Publique)の標準装備に含まれています。
  • ジョージア:国軍の装備品目録に組み込まれています。