フェアチャイルド C-123B プロバイダーの概要

C-123B プロバイダー(Provider)は、アメリカのフェアチャイルド社が製造した双発中型輸送機です。そのルーツは、第二次世界大戦後に設計された大型輸送グライダーにまでさかのぼる、ユニークな経歴を持つ機体でした。
主要諸元
- 機体名: フェアチャイルド C-123B プロバイダー
- 製造メーカー: フェアチャイルド・エンジン・アンド・エアプレーン社(The Fairchild Engine and Airplane Corp.)
- 機種: 輸送機
- 初飛行: 1953年
- エンジン: プラット&ホイットニー R-2800-99W「ダブルワスプ」空冷18気筒星型エンジン ×2基(各2,300馬力)
- 翼幅: 33.53 m
- 全長: 23.08 m / 全高: 10.38 m
- 離陸重量: 32,205 kg
- 巡航速度: 330 km/h
- 実用上昇限度: 8,840 m
- 航続距離: 2,365 km
- 乗員: 2名
- 搭載能力: 兵員61名(または貨物)
開発の経緯――グライダーから輸送機へ
この双発中型輸送機の原型となったのは、1949年にチェイス・エアクラフト社(Chase Aircraft)が設計した輸送グライダーです。試作機2機が製作され、「XG-20」と呼ばれました。
その後、このXG-20をベースに動力化が図られ、プラット&ホイットニー R-2800 星型エンジン2基を装備した「XC-123」と、ゼネラル・エレクトリック J47 ターボジェットエンジン4基を搭載したジェット推進型「XC-123A」の2つの派生型が誕生しました。
量産型としては、米国は信頼性の高いレシプロエンジン版を選択。1952年、チェイス社に対して先行生産機5機が発注されました。しかし、当時のチェイス社はすでにカイザー=フレーザー社(Kaiser-Frazer Corp.)の傘下に入っており、親会社の財政難によって開発は遅延し、プログラムは一時中止の危機に陥りました。
フェアチャイルドによる復活と量産
ここで計画を救ったのがフェアチャイルド社です。同社はこの機体の開発を引き継ぎ、「プロバイダー(Provider)」の愛称を与えて量産に移行しました。最終的には約300機が製造され、1955年からアメリカ空軍の部隊輸送航空団(Troop Carrier Command)に配備され、兵員や物資の輸送任務に活躍しました。
堅牢な構造と未整備の滑走路でも運用できる短距離離着陸性能を持つC-123は、その後も長く現役にとどまり、特にベトナム戦争では前線への輸送任務や、散布作戦など特殊任務にも投入されるなど、冷戦期のアメリカ軍輸送航空戦力を支えた重要な機体となりました。