
西暦800年から1000年までの200年間は、世界各地で数多くの国家が誕生した、まさに「国家形成の時代」でした。ノルマン人がアイルランドに国家を建設し、アングロサクソン諸王国は統一されて単一のイングランド王国となります。また、カール大帝の帝国の分割を経て、フランス・ドイツ・イタリアという国家の原型が形づくられました。
この時期には、キエフ・ルーシの形成や神聖ローマ帝国の成立、ハンガリー王国の誕生といった大きな転換点も見られます。さらに、ウラジーミル大公によるルーシのキリスト教受容(ルーシの洗礼)や、ヴァイキングによるグリーンランドと北アメリカ沿岸の発見など、歴史を大きく動かした出来事が次々と起こった時代です。以下、年表形式で主な出来事をご紹介します。
9世紀の主な出来事
約800年 — チュニジアとアルジェリアがアラブ・カリフ帝国から分離する。
805年 — ヴェネツィアが東ローマ(ビザンツ)帝国の支配から解放される。
812年 — 中国が世界で初めて紙幣を導入する。
816〜837年 — アラブ・カリフ帝国に対するバーベクの反乱が起こる。
821年 — ノルマン人がアイルランドにダブリンを首都とする国家を建設する。
829年 — アングロサクソン諸王国が統一され、単一国家イングランド王国が成立する。
840年 — 敬虔王ルイ1世の息子たち(ロタール1世、ドイツ人ルートヴィヒ、禿頭シャルル)の間で内紛が始まる。
843年 — ヴェルダン条約により、カール大帝の帝国が三人の孫の間で分割される。禿頭シャルルは西フランク(後のフランス)、ドイツ人ルートヴィヒは東フランク(後のドイツ)、ロタール1世はブルグント・アルザス・ロレーヌ・北イタリアを相続。ここからドイツ・イタリア・フランス三国の形成が始まる。
840〜911年 — ノルマン人によるフランス、スペイン、ドイツ、イングランドへの襲撃が激化。ノルマン人の指導者ロロがノルマンディー公となり、フランス王の家臣となる。
864年 — アスコルドとディールがキエフを占領する。
871〜899年(901年) — ウェセックス王アルフレッド大王が、公式文書に「イングランド王」の称号を用いた最初の王となる。
878年 — ウェドモア条約が締結され、イングランドに「デーンロー」と呼ばれるデーン法施行地域が形成される。
882年 — オレグ公がスモレンスク、リューベチ、キエフを占領。キエフがルーシ国家の首都となる。
886年 — イングランド王アルフレッド大王がロンドンを奪回する。
9〜13世紀
9〜13世紀 — クメール帝国(真臘)が現在のカンボジア、タイ、ラオスの地域に存在し、首都アンコールには壮大な寺院建築群が築かれる。
10世紀の主な出来事
907年 — オレグ公が艦隊を率いてコンスタンティノープルへ海上遠征を行う。
907〜960年 — 中国が政治的に分裂する(五代十国の時代)。
907〜1125年 — 契丹族の遼(りょう)王朝が中国北部に興る。
909〜1171年 — イスマーイール派のファーティマ朝カリフ国が栄える。
912〜945年 — キエフ公イーゴリの治世。
923〜935年 — 中国に後唐が興る(首都は洛陽)。
936〜947年 — 中国に後晋が興る(首都は開封)。
936〜973年 — 神聖ローマ皇帝オットー1世(オットー大帝)の治世。
945年 — ドレヴリャーネの反乱により、イーゴリ公が殺害される。
945〜960年 — 未亡人オリガ妃がルーシを統治する。
960〜972年 — キエフ公スヴャトスラフ・イゴレヴィチの治世。
960〜1127年 — 中国に北宋が成立する(首都は開封〈汴京〉)。
960〜1279年 — 宋王朝の時代。契丹(遼)、タングート(西夏)、女真(金)との戦争が繰り広げられる。
962年 — ローマ教皇ヨハネス12世が、ドイツ王オットー1世をローマで皇帝として戴冠させる。神聖ローマ帝国の成立。
964〜969年 — キエフ公スヴャトスラフがハザール・カガン国の主要要塞群と首都イティルを攻略する。
969年 — ファーティマ朝がエジプトを征服し、カリフ国を樹立する。
980〜1000年頃 — 赤毛のエイリーク(エイリーク・ソルヴァルズソン)とグンビョルン・ウルフソンが、グリーンランドおよび北アメリカ北東岸を発見する。
987年 — カロリング朝最後の王ルイ5世が死去し、パリ伯ユーグ・カペーが国王に選出される。カペー朝の始まり。
988年 — ウラジーミル大公によるルーシのキリスト教受容(ルーシの洗礼)。
997〜1000年 — デンマーク軍がイングランドに侵入する。
1000年頃 — ハンガリー王国が成立する。