
2021年7月、発見現場で行われた発掘調査の様子(E. TRÉBUCHET / PRESS SERVICE)
装身具、武器、壺、鋭利な道具——フランス・アリエ県南部では、約3000年もの間地中に眠っていた完全な状態の青銅器が数百点も発見されました。この遺跡は、青銅器時代(紀元前2200年〜紀元前800年)におけるヨーロッパで最も豊かな遺跡の一つとされています。
意図的に埋められた「埋納」の謎
発見のきっかけとなったのは、ガナ近郊のシウール渓谷沿いに位置する要塞化された集落跡の発掘調査でした。トゥールーズ大学講師のピエール=イヴ・ミルサン氏率いる考古学者チームは、直径30センチほどの壺の中に女性や子どもの装身具(腕輪、指輪、ペンダント)が詰め込まれ、さらに鎌、槍の穂先、ナイフなどが収められ、その上に斧が積み重ねられた穴を発見したのです。
これらすべての品々は意図的に埋められたものであり、有力な仮説の一つとして、同時期のギリシャでも見られるような供物——集落の建設時あるいは放棄時に執り行われた儀礼に関わるもの——である可能性が考えられています。こうした文化的慣習は、地中海世界の各地で確認されているものです。
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交易の要衝として栄えた中央高地
中央高地(マシフ・サントラル)は、青銅器時代には家畜飼育と農業によって比較的豊かであり、パリ盆地と地中海を結ぶ交易軸上に位置していたことも、その繁栄を支えていました。出土品の中には北イタリア由来のものもあれば、バルト海方面やイングランド南部からもたらされたものも含まれており、当時の交流網がいかに広範だったかを物語っています。
集落はときに小規模なまとまりを形成しており、また、青銅の製造に不可欠な金属であるスズがこの地域に存在したことで、盛んな冶金(やきん)生産が可能となっていました。
原状のまま研究できる貴重なチャンス
発掘調査において、これほど多くの品々が元の配置のまま蓄蔵されているのが見つかるのは非常に稀です。科学者たちが、3000年前に埋められた当時のままの状態で埋納を研究できるのは、今回が初めてのこととなります。出土した遺物はその後、ムーラン市のアンヌ・ド・ボージュー博物館で公開される予定です。