古代の歴史

エルモロ国定公園(ニューメキシコ州)|岩肌に刻まれた400年の歴史が語る「刻印の岩」

エルモロ国定公園(El Morro National Monument)は、アメリカ合衆国ニューメキシコ州西部に位置する岩層および考古学遺跡です。ラマー(Ramah)の南東約19kmにあり、1906年に国定公園(国定記念物)として指定されました。面積は約5平方キロメートルです。

「刻印の岩」と呼ばれる砂岩のメサ

エルモロ(El Morro)はスペイン語で「岬」や「断崖」を意味し、「刻印の岩(Inscription Rock)」の別名でも知られています。柔らかい砂岩からなるメサ(卓状台地)で、谷底から約60メートルの高さにそびえ立っています。

麓には水場( watershed )があり、風雨をしのげる窪地も点在していました。この恵まれた環境により、エルモロは伝説の「シボラの七都市」を目指す旅人たちにとって、重要な野営地となったのです。

400年にわたり刻まれた碑文の数々

1605年から1906年までの約300年間にわたり、先住民、スペイン人、そしてアメリカ人が、このメサの崖面に数百もの碑文を刻みました。まるで岩に書かれた歴史の記録簿のように、時代ごとの足跡が今も残っています。

中でも最も有名なのは、スペイン人の征服者・探検家フアン・デ・オニャーテ(Juan de Oñate)が1605年、この地域を通過した際に残した碑文です。これはヨーロッパ人到來を示す貴重な記録として知られています。

先コロンブス期の文化も伝える遺跡

エルモロには、ヨーロッパ人来航以前に刻まれた先コロンブス期のペトログリフ(岩絵)も数多く見られます。さらにメサの頂上には、古代プエブロ人(アナサジ)のプエブロ集落跡が2つ残されており、かつてこの地で栄えた先住民文化を今に伝えています。

自然の造形美と人類の歴史が一つの岩に凝縮されたエルモロ国定公園は、アメリカ南西部を代表する歴史的スポットとして、多くの訪問者を魅了し続けています。