古代ギリシャの歴史家たち、とりわけヘロドトスは、洗練されたペルシャ(イラン)の美食について言及しています。その高度な食文化は隣国の調理法にも大きな影響を与え、繊細なソースによって広く名声を得ていました。
ペルシャ料理を象徴するのが、ザクロやブドウの果汁をベースに、果物とスパイスを組み合わせた優美なソースです。また、米は常に食卓の中心的存在であり、シンプルに炊いたものから、スパイスで香り高く味付けしたものまで、多彩なスタイルで供されていました。
肉や魚はペルシャの昼食における主菜でした。野菜、スパイス、さらに果物を加えて弱火でじっくり長時間煮込むこの調理法は、現代の西洋料理におけるシチューにも通じるものがあります。
典型的なペルシャの昼食
伝統的なペルシャの昼食は、次のような構成で整えられていました。
- ホレシュ(Khoresh) … ペルシャ風の煮込み料理で、ライスに合わせて供されるメインディッシュ
- チャーロー(Chilau)ライス … ふっくらと炊き上げられた米料理
- 新鮮な野菜 … 数個のボウルに盛り付けられた生野菜の盛り合わせ
- ペルシャパン … 薄く焼き上げた伝統的な平たいパン
- ククス(Kukus) … 卵を使った風味豊かな料理で、食事の締めくくりに登場
食事の最後には、新鮮な果物とドライフルーツがたっぷりと提供されました。特筆すべきは、果物が一切の付け合わせなしでシンプルに供されたことです。ペルシャ人にとって果物本来の味はそれだけで完璧であり、何かを加えて改良する余地さえない、という確固たる信念があったためです。
食後のハーブにまつわる古代の言い伝え
食事の締めくくりには、興味深い古代の信仰も結びついていました。それは「食後にハーブを食べた女性は、夫を繋ぎ留めるのに困らない」というものです。対象とされたのは、パセリ、ミント、クレス、ディル、コリアンダー、タラゴンなどのハーブ類で、食後の習慣として大切にされていました。