古代の歴史

全体主義の主な特徴とは?歴史的背景と7つの共通点を解説

全体主義(Totalitarianism)とは、政府が権威主義的・国家主義的・非民主的・軍国主義的な性格を持つ政治体制のことです。

国家は市民生活のあらゆる分野――教育、娯楽、さらには市民としての権利行使にまで――及ぶ膨大な権力を握ります。

「全体主義」という用語は1920年代に、イタリアのベニート・ムッソリーニのファシズム政権を記述するために生まれました。

全体主義の概要

全体主義という政治体制は、20世紀に、戦間期に顕在化した国際資本主義と自由民主主義の危機とともに誕生しました。

さらに、1929年の世界恐慌によって強化されました。インフレ、失業、貧困の深刻化は、一部の国々で市民の心をつかんだ全体主義的思想の台頭につながったのです。

ファシズム系の全体主義指導者たちに共通する狙いは、社会秩序と資本主義秩序を再建し、社会主義の進出を防ぐことにありました。一方、左派の全体主義体制は、同じ手法を用いて資本主義を封じ込めようとしました。

つまり全体主義とは、国家が強力かつ中央集権的であり、単一政党の思想と一体化する政治形態だといえます。

全体主義体制だった国々

最も代表的な例は、ソ連のスターリン主義、ドイツのナチズム、イタリアのファシズム、中国の毛沢東主義です。ここから、全体主義は政権の左右にかかわらず成立しうることがわかります。

一方、ポルトガルのサラザール体制やスペインのフランコ体制のように、全体主義ではなく「権威主義」と分類される体制も存在しました。

現在、全体主義に分類されている唯一の国は北朝鮮です。

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全体主義の主な特徴

ファシズムであれ社会主義であれ、全体主義体制には一定の共通点がありました。以下、主な特徴を見ていきましょう。

1. 指導者への崇拝

全体主義体制では指導者の人物像が極めて重視され、その姿が至る所に存在するほど神格化されます。

指導者は常に、生まれながらの指導者であり、国民をより良い生活へ導くあらゆる資質を備えた人物として描かれます。伝記は大仰な文体で語られ、都合よく編集されます。つまり、敵対者は省略されるか、中傷の対象となるのです。

指導者の生涯はあらゆるメディアで取り上げられ、国民の模範として提示されます。多くの場合、公式プロパガンダに指導者の家族は登場せず、祖国のために一切を捨てる英雄の犠牲的精神が強調されます。

2. 一党独裁

全体主義の主要な特徴の一つが、国内における単一政党の確立です。これは、他のすべての政党が違法とみなされることを意味します。

こうして、公式イデオロギーと厳格なヒエラルキーを通じて、政治はもはや社会全体で議論できるものではなくなり、ごく少数の集団だけが担うものとなります。

市民は、愛国的な祝祭、スタジアムでの大集会、パレードといった大衆イベントへの参加を通じて政治に関与するよう求められます。この支持を獲得するため、人々は政府のプロパガンダに取り込まれていくのです。

3. 教育の統制

全体主義体制は教育に特別な注意を払います。学校で教える内容を細かく指定するだけでなく、児童や青少年をクラブや組織に編入して管理します。

そうした組織では、子供たちはしばしば軍事訓練を受け、国家イデオロギーの教育を施され、指導者への忠誠を誓いました。

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4. イデオロギー統制

国民を監視・支配するため、秘密警察などの抑圧機関が設置されます。

国家が教える内容と異なる思想を読んだり、議論したり、広めたりした者は、断罪される恐れがありました。

このように全体主義は暴力を伴います。国家のイデオロギーに同調しない人々は厳しく処罰されるからです。政治犯収容所、再教育キャンプ、政治的権利や職の剥奪などがその典型例です。

5. 軍国主義

「革命」の炎を絶やさず、「新人間」を創り出し続けるために、全体主義は軍国主義を推進します。

軍国主義の奨励は、国民を常時警戒態勢に置く手段でもあります。射撃訓練や体力鍛錬といった教育実践から、国民全体が憎むべき「敵」の設定に至るまで、その手法は多岐にわたります。

軍国主義は、領土を征服する意志と口実を生み、既得の領土を維持する動機にもなります。こうした側面を考えれば、ヨーロッパのすべての全体主義体制が国境の拡張を追求したことも不思議ではありません。

6. プロパガンダと検閲

国家の政治プロパガンダは、指導者の人格を賛美し、市民を新たなイデオロギーへ引き込み、支配することを目的として蔓延します。

メディアは徹底的に検閲され、国家が認めた情報だけが発信されました。その結果、国民は新しい思想に触れる機会を失っていきます。

さらに全体主義は、自国の民を世界最高の民として称揚するとともに、敵対すべき「敵」を常に設定します。この「敵」の存在は、公式プロパガンダによって大いに利用されるのです。

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7. 国家による経済介入

経済分野における国家介入主義(反自由主義)も、全体主義の重要な特徴です。経済の管理と全体的な計画は国家が担うからです。

ポルトガル、イタリア、スペインなどの国々は、経済を組合(コーポラティブ)方式で組織しました。一方、ドイツでは大企業が事業運営において比較的自由な裁量を持ちました。

ソ連では、すべての財産が国家に帰属していたため、経済は完全に国家の手の中に置かれていました。

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