古代の歴史

貴族院で「羊毛袋」の上に座る人物はどの役職?その答えは大法官

イギリス議会の貴族院(House of Lords)において、赤いクッション状の席「羊毛袋(ウールサック)」の上に座る人物は、大法官(Lord Chancellor)という重要な役職を担っています。

大法官とは何者か

大法官は貴族院の議長(議事進行役)を務めると同時に、イングランドおよびウェールズにおける司法の長としての地位も有しています。歴史的には国王の近くに位置する特別な席から議場を見渡すことからも、この役職の格式の高さがうかがえます。

内閣の一員としての役割

さらに大法官は、イギリス内閣(Cabinet)の閣僚でもあります。政府を代表して貴族院での議事運営に関与し、司法制度や憲政に関する政策にも深く関わってきました。立法・行政・司法の三者をつなぐ、きわめて特異なポジションといえます。

国璽の管理者としての職務

加えて、大法官は「国璽管理官(Lord Keeper of the Great Seal)」として、国家の公文書に押される国璽(Great Seal)の保管と管理を担当します。これは中世以来受け継がれてきた伝統的な職務の一つです。

まとめ

つまり、貴族院の羊毛袋に座る人物が就いている役職は大法官です。貴族院の議長であり、イングランドとウェールズの司法の長であり、内閣の閣僚であり、国璽の管理者でもある――大法官は、イギリスの憲政において多面的な役割を一身に担う、非常に特別な官職なのです。