ピラミッド建設にラクダは使われたのか?
結論からお伝えすると、ラクダはピラミッドの建設には一切使われていません。よくある誤解ですが、これは歴史的事実とは異なります。
ラクダがエジプトに現れたのは、ピラミッドより2000年以上後
ラクダがエジプトに本格的に導入されたのは紀元1世紀頃とされています。一方、ギザの三大ピラミッドに代表されるピラミッド群が建設されたのは、今からおよそ4500年前(紀元前2600年頃)のことです。つまり、ピラミッド建設の時代には、エジプトにラクダはまだ存在していなかったのです。
では、誰がどのようにピラミッドを建てたのか?
ピラミッド建設の中核を担ったのは、次のような人々でした。
- 熟練労働者・非熟練労働者:石切り職人や運搬作業員など
- 技術者・建築家:設計、測量、傾斜路(ランプ)の構築を担当
- 書記:資材や人員の管理、記録業務
- 神官:儀式など宗教的な側面の担当
彼らはファラオと中央政府によって雇用され、組織的に管理・監督されていました。近年の考古学調査では、ギザ周辺で発見された労働者の村の遺跡から、労働者たちが賃金やパン・ビールなどの食料支給を受けながら、輪番制で働いていたことが明らかになっています。奴隷ではなく、国家プロジェクトに従事する「有給の労働者」だったというのが現在の定説です。
重い石材はどうやって運んだのか?
ラクダがいなくても、古代エジプト人には優れた運搬手段がありました。巨大な石灰岩や花崗岩のブロックはそり(ソリ)に載せて人々が引っ張り、遠方の石はナイル川の船で運ばれました。また、砂地の上をソリが滑りやすくなるよう、地面に水を撒いて摩擦を減らす工夫まで行われていたことが研究で示されています。
まとめ
ピラミッド建設にラクダは使われていません。ラクダがエジプトに現れたのは紀元1世紀頃で、ピラミッドの時代から2000年以上も後のことです。ピラミッドは、ファラオのもとで雇用された労働者、技術者、書記、神官たちが、ソリや船、傾斜路などを駆使して建て上げた、高度に組織された国家プロジェクトだったのです。