チューダー様式の家と聞くと、多くの人が黒い木骨と白い壁のコントラストが印象的な建物を思い浮かべるでしょう。しかし実は、チューダー時代の家がすべて白黒だったわけではありません。ここでは、その背景にある建築の仕組みと歴史を詳しく見ていきます。
チューダー様式の建築とは
チューダー様式は、1485年から1603年にかけてのチューダー朝時代にイングランドで発展した建築様式です。この時代の住宅の多くは、オーク材などの木材で骨組み(タイバー・フレーム)を組み、その間をさまざまな素材で埋めて建てられました。
黒い部分と白い部分の正体
黒く見える部分は、耐候性を高めるためにタールや漆喰で塗装された木材の骨組みです。一方、白い部分は石灰モルタルなどで仕上げられた壁面にあたります。このコントラストこそが、私たちが「チューダー風」として知る外観を作り出しているのです。
すべてのチューダーの家が白黒ではない理由
実は、当時からすべての家が白黒だったわけではありません。骨組みの間に詰められる素材は地域によって異なり、レンガ、石、泥など、その土地で入手できる材料によって外観は大きく変化していました。
さらに重要なのは、何世紀にもわたる改修の歴史です。多くのチューダー時代の建物は、後の時代に外壁全体が漆喰(プラスター)で塗り込められたり、別の建材で覆われたりしました。その結果、現在では単一の色調に見える建物も数多く存在します。
まとめ
「チューダーの家=白黒」というイメージは、保存状態の良い代表的な建物が作り出したものです。実際には素材も色彩も多様で、時代とともに姿を変えてきました。次にイギリスの古い街並みを訪れる際は、よく観察してみると新しい発見があるかもしれません。