インド・ラージャスターン州にそびえ立つチットールガル城塞(Chittorgarh Fort)は、メーワール王国の歴代支配者たちによって、主に7世紀から16世紀にかけて建設されました。単一の王が築いたものではなく、時代ごとの君主たちが改修と拡張を重ねてきた、壮大な歴史の結晶とも言える城塞です。
城塞の建設に関わった主な支配者
1. バッパ・ラーワル(Bappa Rawal)
メーワール王国の創始者とされるバッパ・ラーワルは、8世紀にチットールガル城塞の基礎を築いたと伝えられています。彼の治世が、この城塞とメーワール王国の歴史の出発点となりました。
2. チトラーンガダ・モーリー(Chitrangada Mori)
メーワールの支配者であるチトラーンガダ・モーリーは、12世紀に城塞の大規模な拡張を行い、防御施設を大幅に強化したことで知られています。彼の時代に城塞としての姿が整えられました。
3. ラナー・クンバー(Rana Kumbha)
メーワール史上最も著名な君主の一人であるラナー・クンバーは、15世紀に城塞の発展に多大な貢献を果たしました。城内には彼の手になる数々の宮殿、寺院、堅固な防壁が建てられ、現在もその多くが残っています。
4. マハーラーナー・プラタープ(Maharana Pratap)
ムガル帝国への不屈の抵抗で名高いマハーラーナー・プラタープは、16世紀にチットールガル城塞へさらなる要塞や建造物を加えました。彼の武勇伝は今もインド全土で語り継がれています。
多様な様式が融合する建築の傑作
長い歴史の中で、チットールガル城塞はメーワールのさまざまな支配者たちによる改修、改造、増築が繰り返し行われてきました。その結果、ヒンドゥー様式をはじめとする多彩な建築様式と文化的影響が一つの城塞に融合した、他に類を見ない建築の傑作となっています。1980年代以降はユネスコ世界遺産にも登録され、インド最大級の城塞として世界中の観光客を魅了し続けています。