はじめに
インドには、7世紀から16世紀頃にあたる「中世」に建てられた象徴的な歴史建造物が数多く残されています。王朝の栄華を今に伝える寺院や要塞、廟墓など、その多くはユネスコ世界遺産にも登録され、世界中の観光客を魅了しています。ここでは、特におすすめの代表的な建築物を9つご紹介します。
1. コナーラクのスーリヤ寺院(オリッサ州)
13世紀、東ガンガー朝の王ナルシンハデーヴァ1世の治世に建てられた、太陽神スーリヤを祀る壮大な寺院です。全体が巨大な戦車を模したデザインになっており、精巧に彫刻された車輪や柱、無数の彫像が見どころです。1984年にはユネスコ世界遺産に登録されました。
2. レッド・フォート(デリー)
「ラール・キラー(赤い城)」とも呼ばれるレッド・フォートは、17世紀にムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンによって建設されました。19世紀半ばまでムガル皇帝の居城として機能し、巨大な赤砂岩の城壁、壮麗な宮殿、美しい庭園で知られています。
3. クトゥブ・ミナール(デリー)
13世紀初頭、デリー最初のムスリム支配者であるクトゥブッディーン・アイバクによって建てられた高さ約73メートルの塔です。戦勝記念碑として建設され、ヒンドゥー建築とイスラーム建築の要素が融合した精緻な彫刻が施されていることで有名です。
4. ブリハディーシュワラ寺院(タミル・ナードゥ州タージャヴール)
11世紀、チョーラ朝の名君ラージャラージャ・チョーラ1世の治世に建設された、シヴァ神を祀る寺院です。高さ約66メートルにも及ぶヴィマーナ(主殿の塔)がそびえ立ち、南インドを代表する「ドラヴィダ建築」の傑作として高く評価されています。
5. フマーユーン廟(デリー)
16世紀半ば、ムガル皇帝フマーユーンの妃ハミーダ・バーヌー・ベーグムによって建立された廟墓です。ペルシャ、ティムール朝、そしてインド固有の要素を融合させた初期ムガル建築の代表作であり、壮大な二重ドームと精緻な装飾が特徴です。後のタージ・マハルの原型とも言われています。
6. アジャンター&エローラ石窟群(マハーラーシュトラ州)
紀元前2世紀から紀元後6世紀頃にかけて、サーバーハーナ朝やヴァーカータカ朝の時代に岩盤を削って造られた石窟寺院群です。仏教の僧院や礼拝堂、仏教美術の傑作となる壁画や彫刻が数多く残されており、古代インド芸術の宝庫として知られています。
7. ゴールコンダ城塞(テランガーナ州ハイデラバード)
16世紀にクトゥブ・シャーヒー朝によって築かれた歴史的な要塞です。堅固な城壁と巨大な門、精巧な彫刻が特徴で、かつて世界有数のダイヤモンド産地として栄えたことでも有名です。伝説的な宝石の産出地として、その名を歴史に刻んでいます。
8. メヘランガール城塞(ラージャスターン州ジョードプル)
15世紀、ジョードプルの創設者ラーオ・ジョーダーによって建てられた、断崖の上にそびえる要塞です。巨大な城壁に囲まれた城内には豪華な宮殿や寺院が立ち並び、ラージプート建築ならではの精緻な細工が随所に見られます。
9. チャールミナール(テランガーナ州ハイデラバード)
16世紀末、ゴールコンダ王国の君主ムハンマド・クリ・クトゥブ・シャーによって建てられた、ハイデラバードのシンボル的建造物です。4つの尖塔(ミナレット)を持つことからこの名が付きました。壮大なアーチと精緻な彫刻が特徴で、イスラーム建築とヒンドゥー建築の融合を見ることができます。
まとめ
以上が、インドの中世に建てられた代表的な歴史建造物の一部です。いずれも当時の卓越した建築技術と、多様な文化が交ざり合った時代の息吹を感じさせてくれます。インド旅行を計画している方は、ぜひこれらの歴史的遺産を巡ってみてはいかがでしょうか。