古代の歴史

ロチェスター城はいつ建てられた?建設の時期と歴史的背景を解説

イングランド南東部ケント州のロチェスターに佇むロチェスター城は、11世紀後半に建てられたイングランド最古級の石造城塞の一つです。この城の建設を指揮したのは、当時のロチェスター司教グンダルフ(Gundulf)という人物でした。

グンダルフ司教と城の建設

グンダルフは1077年にロチェスター司教に就任したノルマン人聖職者で、ウィリアム征服王から深い信頼を寄せられていました。彼は1080年頃からロチェスター城の建設に着手したとされ、同時にロンドン塔の中核をなす「白い塔(ホワイト・タワー)」の建設にも携わったことで知られています。つまり、ロチェスター城とロンドン塔には、同じ建設者が関わっていたという深い縁があるのです。

当時のイングランドでは、1066年のノルマン・コンクエスト(ノルマン征服)以降、征服王が支配を固めるために各地へ城砦の建設を進めていました。ロチェスター城もその一環として築かれたものであり、初期のノルマン建築を今に伝える貴重な存在です。

メドウェイ川を見下ろす戦略的な立地

ロチェスター城が選んだのは、メドウェイ川の西岸という極めて戦略的な場所でした。ここはロンドンとドーバーを結ぶ街道が川を渡る要衝にあたり、川を行き交う船舶や陸上の交通を監視・統制できる絶好のポイントでした。さらに、城はロチェスターの町を外敵から守る防衛拠点としても機能しました。

現在に残る壮大な天守(キープ)

今日私たちが目にする高さ約34メートルの巨大な天守(キープ)は、12世紀前半にカンタベリー大主教ウィリアム・ド・コービルによって再建されたものです。1215年にはジョン王による激しい包囲戦の舞台ともなり、その歴史の深さを物語っています。ロチェスター城は、イングランドで最も保存状態の良いノルマン様式の天守として知られ、今なお多くの観光客を魅了し続けています。