はじめに
18世紀(1700年代)の住宅建築では、地域の気候や資源の入手しやすさ、そして建築予算によって使われる材料が大きく異なっていました。この記事では、当時の家づくりに使われた主要な建材について、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
最も一般的だった「木材」
1700年代の住宅建築で最も広く使われていたのは木材です。木材は当時どこでも豊富に入手でき、加工が比較的容易だったため、さまざまな構造の建物に活用されました。
木造住宅の多くは「柱梁(ちゅうりょう)工法」と呼ばれる骨組み構造で建てられ、柱と梁で骨格を作った後、その間をレンガ、石、あるいは粘土などで埋めて壁として仕上げるのが一般的でした。
耐久性に優れた「レンガ」
レンガも1700年代に人気のあった建材です。木材に比べて費用はかさみましたが、耐久性が高く火事に強いという大きな利点がありました。
レンガ造りの家は、壁自体が屋根の重量を支える「耐力壁(たいりょくへき)構造」で建てられるのが典型的でした。重厚感があり長持ちするため、裕福な家庭の住宅にも好んで採用されました。
最高級の建材「石」
石材はさらに高価な建材でしたが、当時利用できる材料の中で最も耐久性があり、耐火性にも優れていました。
石造りの建物は耐力壁構造で建てられることが多く、一般住宅というよりは、教会、裁判所、学校といった公共建築物によく使用されました。現在まで残る欧州の古い石造建築の多くは、この時代に建てられたものです。
その他に使われたさまざまな素材
木材・レンガ・石以外にも、1700年代の住宅には多様な材料が使われていました。主なものは以下の通りです。
- 粘土: レンガや瓦、その他の建材の原料として幅広く利用されました。
- 木舞(こまい)と漆喰(しっくい): 細い木の板条を下地に漆喰を塗り込んだ「ラス壁」として、室内の壁や天井の仕上げに使われました。
- ガラス: 窓やドアに使用されました。当時はまだ高価で、窓ガラスが贅沢品とされていた時代もあります。
- 金属: 釘、ねじ、蝶番(ちょうつがい)などの金具類に不可欠な材料でした。
建材選びを左右した3つの要素
1700年代にどのような材料で家を建てるかは、主に次の3つの要素によって決まりました。
- 気候: 寒冷地や多雨地域では、断熱性や耐水性の高い材料が選ばれました。
- 材料の入手しやすさ: 地元で調達できる資源が、そのまま主要建材になりました。
- 建築予算: 費用を抑えたい場合は木材、耐久性を優先するならレンガや石というように、予算が材料選びを大きく左右しました。
まとめ
1700年代の住宅は、手に入りやすく加工しやすい木材が主流でありながら、経済力や用途に応じてレンガや石といった堅牢な建材も使い分けられていました。粘土、漆喰、ガラス、金属などの補助的な材料と組み合わせることで、当時の人々は気候や生活様式に合った住まいを築き上げていたのです。