「1803年のニッケル硬貨はどのようなものだったのか?」――こうした疑問を持つコイン収集家や歴史愛好家は少なくありません。しかし、結論から言えば、1803年に発行されたニッケル硬貨は存在しません。
1803年当時のアメリカの硬貨事情
1803年当時、アメリカ合衆国造幣局では、ハーフセント、ラージセント(1セント)、ハーフダイム、ダイム、クォーター、ハーフダラー、ダラーなどが鋳造されていました。この時代、5セントに相当する額面を担っていたのは、銀で作られた「ハーフダイム」でした。ニッケル地金を使用した硬貨はまだ登場しておらず、「ニッケル」という呼称自体が定着していなかったのです。
アメリカ初のニッケル硬貨はいつ誕生したのか
一般に「アメリカ初の5セント・ニッケル硬貨」とされているのは、1866年に発行されたシールド・ニッケル(Shield Nickel)です。それ以前の5セント硬貨は、すべて銀製のハーフダイムでした。
なお、1857年に登場したフライングイーグル・セント(Flying Eagle Cent)は、銅とニッケルの合金を採用した画期的な小型セント硬貨として知られています。ただしこれは額面1セントの硬貨であり、5セント硬貨ではありません。とはいえ、ニッケル合金をアメリカの流通硬貨に本格的に取り入れた先駆けとなった点で、硬貨史上重要な位置を占めています。
まとめ
1803年のニッケル硬貨は実在しないため、市場に出回る「1803年ニッケル」は偽造品か、刻印を改ざんされたものである可能性が極めて高いと言えます。アメリカにおける5セント・ニッケルの歴史は、1866年のシールド・ニッケルから始まったことを覚えておきましょう。