結婚によって夫の法的後見下に置かれた女性たち
17世紀から18世紀にかけて北米大陸へ移住したイギリス人女性入植者たちは、結婚すると法律上「夫婦同一人格」とみなされ、夫の法的保護下(後見)に置かれるのが通例でした。これはイギリス法に由来する慣行で、既婚女性は独立した法的人格を持てず、社会生活における多くの重要な行為が認められなくなりました。
具体的には、結婚後に次のようなことができなくなりました。
結婚後にできなかった6つのこと
- 財産の所有 — 不動産や動産を自分名義で持つことができず、婚前の財産も含めてすべて夫の管理下に置かれました。
- 遺言書の作成 — 死後の財産の分配を自ら決定する権利がなく、遺言を残すことができませんでした。
- 契約への署名 — 売買や雇用などの契約を結ぶ際には夫の同意が必要で、単独での署名は無効とされました。
- 事業の運営 — 自分の名前でビジネスを行ったり、商取引を管理したりすることが禁じられていました。
- 投票 — 選挙権を持たず、政治的な意思決定に参加することができませんでした。
- 訴訟の提起 — 自分の名前で裁判を起こすことも、訴えられる側になることもできませんでした。
制限が撤廃されるまでの歴史
こうした厳しい法的制限は、19世紀後半以降にアメリカ各州で「既婚女性財産法(Married Women's Property Acts)」が相次いで成立したことで、少しずつ緩和されていきました。女性が財産を所有し、契約を結び、所得を得る権利を取り戻すまでには長い歳月を要しましたが、これらの法改正は現代の男女平等な法制度への重要な第一歩となりました。