インドは世界でも有数の民族的に多様な国であり、人々の民族的背景は地域によって大きく異なります。インド人口の大多数はインド・アーリア系の人々で占められていますが、そのほかにもドラヴィダ系、チベット・ビルマ系、オーストロアジア系など、さまざまな民族が暮らしています。
インドの主要な民族グループ
1. インド・アーリア人(約72%)
インド・アーリア人はインド最大の民族グループで、人口の約72%を占めています。紀元前1500年頃に中央アジアからインド亜大陸へ移住した古代インド・ヨーロッパ語族の話者たちの子孫とされています。インド全土に分布していますが、特に北インドや西インドに集中しており、ヒンディー語をはじめとするインド・アーリア諸語を母語とする人が多くいます。
2. ドラヴィダ人(約25%)
ドラヴィダ人はインドで2番目に大きな民族グループで、人口の約25%を占めます。インド・アーリア人が移住する以前からインド亜大陸に居住していた先住民の子孫と考えられており、主に南インドや東インドに分布しています。タミル語、テルグ語、カンナダ語、マラヤーラム語などのドラヴィダ諸語が話されていることでも知られています。
3. チベット・ビルマ系民族(約2%)
チベット・ビルマ系の民族は主にインド北東部に見られ、チベットやミャンマー(旧ビルマ)方面からの移住者の子孫です。チベット・ビルマ語派に属する言語を話し、インド人口の約2%を占めています。
4. オーストロアジア系民族(約1%)
オーストロアジア系の民族はインド東部に分布し、東南アジア方面から渡ってきた人々の子孫とされています。サンタル語やホー語などオーストロアジア語族に属する言語を話し、人口の約1%を占めます。
その他の少数民族
上記の主要な民族グループ以外にも、インドにはユダヤ人、パールシー人(ゾロアスター教徒の共同体)、キリスト教徒コミュニティなど、少数ながら長い歴史を持つ民族・宗教集団が存在します。
このように多様な民族が共存していることが、インド文化の豊かさと複雑さを形作っています。言語、宗教、習慣が地域ごとに大きく異なるインドを理解するうえで、こうした民族的背景の知識は欠かせないものといえるでしょう。