古代メソポタミアにそびえる巨大な聖塔「ジッグラト」。その高くそびえる上層部に人々はどうやって到達していたのでしょうか。答えは傾斜路(ランプ)にあります。
外側を巡る傾斜路(ランプ)
ジッグラトへの登頂は、主に建物の外側に設けられた傾斜路を通して行われていました。古代メソポタミアの人々は、構造物の外壁に沿って傾斜路を造り、それを何層ものテラスの間でつなぎ合わせました。多くの場合、この傾斜路は建造物をぐるりと取り囲むように、らせん状に配置されていたと考えられています。
有名なウルの大ジッグラトでは、正面に三本の階段が集約される形式が採られるなど、地域や時代によって登頂経路のデザインにも工夫が凝らされていました。
神官たちのための聖なる道
これらの傾斜路は誰もが自由に使えたわけではありません。主に利用していたのは、神官をはじめとする宗教関係者でした。彼らは宗教的な儀式や祭事の際に、傾斜路を通ってジッグラトの上層部へと昇っていきました。地上から天に近づくこの道程そのものが、人間と神をつなぐ神聖な行為だったのです。
頂上にあった一室の神殿
傾斜路の先には、ジッグラト最上部にある一室だけの小さな神殿(至聖所)と祭壇の基壇が待っていました。こここそが神の住まう場所とされ、神官たちはこの頂上の神殿で儀式を執り行いました。巨大な階層構造の頂点に静かに佇む神殿は、メソポタミアの都市で最も神聖な場所だったといえます。