ポストイットを発明したのは誰?
ポストイット(付箋)を発明したのは、アメリカの化学メーカー・スリーエム(3M)に勤務していた研究者、アーサー・フライ(Arthur Fry)氏です。現在では世界中のオフィスや家庭で使われている定番文具ですが、その誕生にはユニークなエピソードがあります。
発明のきっかけは教会の賛美歌集
1974年、教会の聖歌隊に参加していたフライ氏は、賛美歌集の中で自分の歌うページを示すために紙片を挟んで使っていました。しかし、紙片はすぐに落ちてしまい、ページを探すたびに手間がかかるのが悩みの種でした。
そこで彼は、「弱い接着力を持つ糊を使えば、しっかり貼り付きながらも剥がしても跡を残さない栞(しおり)が作れるのではないか」とひらめきます。これがポストイット誕生の直接的なきっかけとなりました。
同僚・スペンサー・シルバーの特殊な接着剤
この発明には、もう一人の重要人物がいます。それが同僚の科学者、スペンサー・シルバー(Spencer Silver)氏です。シルバー氏はそれ以前に、「軽く貼り付き、剥がしても痕を残さず、繰り返し貼り直せる」という特殊な低粘着接着剤を研究の中で生み出していました。ただ、当時はその用途が見つからず、強力な接着剤ばかりが求められる中で「使い道のない発明」とされていました。
フライ氏はこの接着剤に目をつけ、二人は共同で製品化への道を進めていきます。試作や改良を重ね、1977年頃から試験的な販売が始まりました。
1980年、「ポストイット・ノート」として世界へ
試験販売での反応をもとに改良を続けた結果、1980年についに3Mは「ポストイット・ノート(Post-it Notes)」として本格的に市場へ投入しました。「貼って、剥がして、また貼れる」という便利さが瞬く間に評判を呼び、ポストイットは世界的なヒット商品へと成長しました。
偶然のひらめきと、かつて「失敗作」と呼ばれた技術の出会いから生まれたポストイットは、イノベーションの好例として今も語り継がれています。