古代の歴史

ブルータスはローマ皇帝ではなかった?その実像とカエサル暗殺事件の真実

「ローマ皇帝ブルータス」という表現を目にすることがありますが、実はこれは誤解です。マルクス・ユニウス・ブルータスは皇帝ではなく、ローマ共和政期の元老院議員(政治家)でした。

ブルータスとはどんな人物?

ブルータス(紀元前85年頃~紀元前42年)は、共和政ローマの政治家であり、元老院の一員として活動していました。彼が歴史に名を刻むことになった最大の理由は、紀元前44年3月15日に行われたガイウス・ユリウス・カエサルの暗殺計画の中心人物の一人だったことにあります。

シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』で有名な「Et tu, Brute?(ブルータス、お前もか)」という一節は、まさにこの事件に基づいたものです。親交が深かったはずのカエサルを裏切った人物として、ブルータスの名は後世まで強く記憶されることになりました。

カエサルは本当に皇帝だったのか?

ここで少し補足すると、厳密に言えばユリウス・カエサル自身も正式な意味での「皇帝」ではありませんでした。彼は終身独裁官としてローマの実権を握っていた人物です。ローマ帝国の初代皇帝とされるのは、カエサルの後継者であるアウグストゥス(オクタウィアヌス)です。

ただし、カエサルが事実上の君主として君臨していたことは間違いなく、広い意味では「皇帝的な存在」と捉えられることも多いため、一般的には皇帝に近い扱いで語られることが少なくありません。

まとめ

ブルータスはローマ皇帝ではなく、共和政の理念を守るためにカエサル暗殺に関わった元老院議員でした。彼の選択はローマの歴史を大きく変えるきっかけとなり、その物語は2000年以上経った今もなお、文学や芸術の題材として語り継がれ続けています。