古代の歴史

ローマ美術はいつ始まったのか?独自の発展の起点となった「マグナ・グラエキア」との出会い

ローマ美術が独自の発展を遂げ始めたのは、紀元前4世紀末のことです。それまでのローマは、エトルリア人や初期ラテン文化の影響を強く受けていましたが、南イタリアに栄えていたギリシア系の芸術・文化――いわゆる「マグナ・グラエキア(大ギリシア)」――と本格的に接触したことを契機として、独自の美術様式を形成していきました。

マグナ・グラエキアとの出会い

マグナ・グラエキアとは、紀元前8世紀以降、ギリシア人が南イタリアやシチリア島に建設した植民市群を指します。ターラント、シバリス、クロトンといった都市は、高度なギリシア文化の中心地として繁栄していました。イタリア半島で勢力を拡大するローマがこれらの地域と接触し、ギリシア彫刻や建築、陶器などの芸術に触れたことで、ローマ美術の独立した発展が始まったのです。

その後の展開

紀元前3世紀から前2世紀にかけて、ローマはギリシア本土をも支配下に収めます。特に紀元前146年のコリントス征服以降、大量のギリシア美術品がローマにもたらされました。こうしてギリシア美術の深い影響を受けながらも、写実性に富む肖像彫刻や記念碑的な建築など、ローマならではの表現へと昇華されていったのです。