リンカーンは独立記念館で演説をしていない
「独立記念館でのエイブラハム・リンカーンの演説」という表現を目にすることがありますが、実はリンカーンがフィラデルフィアの独立記念館で歴史に残るような演説を行った事実はありません。人々が思い浮かべているのは、おそらく別の場所で行われたあの名演説――ゲティスバーグ演説なのでしょう。
ゲティスバーグ演説とは?
ゲティスバーグ演説は、1863年11月19日、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ゲティスバーグにある戦没者国立墓地(Soldiers' National Cemetery)の献納式典において、第16代大統領エイブラハム・リンカーンが行った演説です。
この式典は、同年7月に南北戦争最大の激戦となった「ゲティスバーグの戦い」で命を落とした多数の兵士を悼み、彼らが眠る墓地を国家に捧げるために執り行われたものでした。
わずか2分余りの、歴史に残る言葉
演説は全体で約270語、所要時間は2〜3分ほどしかありませんでした。しかし、「87年前(Four score and seven years ago)」で始まる冒頭の一節や、「人民の、人民による、人民のための政治(government of the people, by the people, for the people)」という結びの言葉は、今日でも広く知られています。
当時、この演説が直ちに高い評価を受けたわけではありませんでしたが、時代が下るにつれ、自由と平等というアメリカ建国の理念を見事に凝縮した不朽の名文として、世界的に称賛されるようになりました。
まとめ
リンカーンが独立記念館で有名な演説を行ったという記録はなく、彼の名を不朽のものとしたのは、1863年11月19日にペンシルベニア州ゲティスバーグで行われた「ゲティスバーグ演説」です。短いながらも力強いこの演説は、今なお世界中で語り継がれています。