古代で支持されていたのはアリストテレスの学説
古代において、最も多くの人々に信じられていたのはアリストテレスの学説です。紀元前4世紀に活躍したギリシャの哲学者・科学者であるアリストテレスは、地球を宇宙の中心とし、他のすべての天体がその周囲を回転するという天動説(地球中心説)を提唱しました。
彼の思想は2000年近くにわたって西洋の科学的思考を支配し、中世ヨーロッパでは「哲学者」と呼ばれるほど絶対的な権威を持っていました。
デモクリトスの原子論はなぜ受け入れられなかったのか
実は、アリストテレスより前の時代である紀元前5世紀頃、デモクリトスは万物が目に見えない小さな粒子(原子)から構成されているという原子論を提唱していました。しかし、この先進的なアイデアは当時の主流にはなりませんでした。
理由としては以下が挙げられます。
- 原子は直接観察できず、証拠を示すことが困難だった
- アリストテレスの「四元素説」(土・水・空気・火)の方が直感的で理解しやすかった
- アリストテレスの権威があまりにも強く、異なる学説が退けられた
ジョン・ダルトンによる原子論の復活
デモクリトスの原子論が再び注目されるのは、なんと19世紀になってからです。イギリスの化学者ジョン・ダルトン(1766年〜1844年)は、1803年頃に科学的な根拠に基づく近代原子論を提唱しました。彼は化学反応における定量的な実験データをもとに、物質が原子から構成されていることを論理的に示しました。
まとめ
古代の人々が多く信じていたのはアリストテレスです。デモクリトスの原子論は時代を先取りした優れた着想でしたが、観測技術や実証手段が未発達な古代では広く受け入れられませんでした。やがてルネサンス期以降のコペルニクスやガリレオらの観測によって天動説は否定され、さらにダルトンの登場により原子論が現代科学の基礎として確立されたのです。